【医師監修】20代・30代に急増中の過敏性腸症候群(IBS)とは?腹痛・下痢・便秘は我慢しないで
『毎朝トイレが止まらない…』
『緊張するとお腹が痛くなる』
『病院では異常なしって言われたのに、つらさは変わらない』
こうしたお腹の不調に悩む20代・30代の方が、年々増加しています。
その原因として多く見られるのが、「過敏性腸症候群(IBS)」です。
過敏性腸症候群は、検査をしても異常が見つからないのに、腹痛や便通異常を繰り返す慢性疾患で、放置すると生活の質が大きく損なわれます。
今回は、若い世代に多いIBSの症状、原因、注意点、必要に応じた大腸カメラ検査の重要性について解説します。
1. 過敏性腸症候群(IBS)とは?
過敏性腸症候群とは、腸に炎症や潰瘍などの明確な病変がないにもかかわらず、腹痛や下痢・便秘などの便通異常が長期間続く状態です。
日本人の約10〜15%がIBSとされており、特に20代〜30代の若い世代に多くみられます。
主に以下のようなタイプに分けられます。
- 下痢型:突然の腹痛と激しい下痢を繰り返す
- 便秘型:腹痛を伴う頑固な便秘が続く
- 混合型:下痢と便秘を交互に繰り返す
- 非分類型:明確なパターンはないが不快な症状が続く
2. IBSの主な症状
2-1. 繰り返す腹痛
特に排便前にお腹が痛くなり、便を出すとスッと楽になるのが特徴です。
これは腸の運動が過敏に反応してしまうためと考えられています。
2-2. 下痢・便秘が続く
- 朝の通勤前や仕事の合間に突然トイレに駆け込むような突発的な下痢
- 便が何日も出ず、お腹が張って痛くなるような頑固な便秘
IBSの人は、腸のリズムが乱れて便の性状が安定しないのが特徴です。
2-3. ガスが溜まりやすい・残便感がある
お腹が張る、ガスがたまりやすい、トイレに行ったのにスッキリしないといった機能性の不快感もよくみられます。
3. ストレスとIBSの関係
IBSは、心と腸が密接につながっている「脳腸相関」の乱れによって引き起こされると考えられています。
- ストレスや緊張、不安
- 睡眠不足や疲労
- 生活習慣の乱れ
こうした要素が、腸の運動や感覚を過敏にし、症状を悪化させます。
20代・30代は、仕事や人間関係などでストレスを感じやすい時期でもあり、IBSを発症・悪化させやすい環境にあります。
4. IBSでも、大腸カメラが必要なことがある?
IBSは基本的には機能性疾患であり、検査をしても明らかな異常が見つからないのが特徴です。
特に以下のような場合には、大腸カメラ検査が強く推奨されます。
- 便に血が混ざっている
- 夜間にも腹痛や下痢がある
- 体重が急激に減少している
- 30歳を過ぎて初めて症状が出た
- 家族に大腸がんや炎症性腸疾患の人がいる
IBSだと思っていたら、実は潰瘍性大腸炎や大腸ポリープだったというケースも少なくありません。
特に血便や粘液がある場合は、自己判断をせず、一度内視鏡でしっかり確認することが安心につながります。

5. 当院ではIBSの相談から検査・生活指導まで丁寧に対応します
金町よしだクリニックでは、過敏性腸症候群の診療経験も豊富です。
IBSの治療では薬だけに頼らず、食事指導や生活リズムの調整、腸内環境の改善にも取り組んでいます。
- 無痛で安心の大腸カメラ検査が可能(希望者には鎮静剤使用)
- CO2送気によるお腹の張りの少ない検査
- IBSか他の病気かを正確に見極める体制
『どうせ検査しても何も出ない』『まだ若いから』と思わずに、
腸の違和感を放置しないことが、今後の生活の安心と健康につながります。
まとめ:20代・30代の腹痛や下痢・便秘は「よくあること」ではありません
- IBSは若い世代に多く、生活の質を大きく左右する疾患
- 症状が慢性的に続く場合は専門医の診察が必要
- 血便・粘液・夜間の症状があるときは、大腸カメラで確認を
- 放置せず、根本から向き合うことで改善が期待できます
当院では、IBSを含めた若年層の腸トラブルに対し、丁寧な問診と必要に応じた精密検査、生活改善指導を行っています。
『ただのストレス』と思わず、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)