【医師監修】胃カメラでわかるピロリ菌感染とは?除菌からがん予防まで専門医が解説
『ピロリ菌って何?』
『胃カメラでピロリ菌がわかるって本当?』
『除菌すれば本当に胃がんを防げるの?』
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事ではピロリ菌感染と胃カメラ検査の関係、除菌治療の重要性、そして胃がん予防につながる理由を、専門医がわかりやすく解説します。
胃カメラは単なる検査ではなく、未来の健康を守るための一歩です。
1. ピロリ菌とは何か?感染するとどうなるの?
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜にすみついて炎症を引き起こす細菌です。
幼少期に経口感染することが多く、一度感染すると自然に消えることはありません。
ピロリ菌感染が続くと、
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胃がん
といった疾患のリスクが高まります。
特に胃がんの発症との関係が非常に強く、日本人の胃がんの多くはピロリ菌感染が背景にあるとされています。
2. 胃カメラでピロリ菌感染が『わかる』って本当?
はい、胃カメラはピロリ菌感染の診断において重要な役割を果たします。
2-1. 胃カメラで見える感染のサイン
ピロリ菌に長く感染すると、胃の粘膜に以下のような変化が見られます。
- 粘膜の発赤(赤み)
- 粘液のたまり(粘液過多)
- ヒダの腫れや萎縮
- モザイク状の模様(萎縮性胃炎)
こうした所見は内視鏡の熟練医師によって高精度に評価されます。
2-2. 組織検査や迅速検査も併用
必要に応じて、胃カメラ後に血液検査を行います。
ピロリ菌に対する抗体の検査により感染の有無を確認できます。
3. ピロリ菌は除菌すべき?どんな治療?
ピロリ菌が陽性であれば、除菌治療(一次除菌)が推奨されます。
これは、胃がんを未然に防ぐための唯一の医学的アプローチとも言えます。
3-1. 除菌の方法
- 7日間の内服治療(2種類の抗生剤+胃酸を抑える薬)
- 1回で約90%の除菌成功率
- 失敗した場合は二次除菌(薬の組み合わせ変更)を実施
除菌後には、再検査(呼気テスト)で成功の確認が行われます。

4. ピロリ菌除菌のメリットは?がん予防効果とは
4-1. 胃がんリスクを大きく減らせる
ピロリ菌感染が長期間続くと、胃の粘膜が萎縮し、前がん状態(腸上皮化生)に進行します。
この状態を放置すると胃がんが発生しやすくなりますが、除菌によりその進行を食い止めることができます。
4-2. 若いうちの除菌でリスクを最小限に
萎縮が進む前に除菌できれば、正常な胃粘膜に戻る可能性もあります。
そのため、30〜50代での胃カメラとピロリ菌検査が特に重要です。
5. 当院の胃カメラ:ピロリ菌感染の発見から治療まで一貫対応
金町よしだクリニックでは、
- 日本消化器内視鏡学会専門医による丁寧な胃カメラ検査
- ピロリ菌感染の視診+血液検査に対応
- 保険診療による除菌治療と再検査
- 鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡
を組み合わせることで、早期発見・早期除菌・がん予防の流れをすべて院内で完結できます。
まとめ:胃がんを防ぐカギは『胃カメラ+ピロリ菌除菌』
- 胃カメラはピロリ菌感染を直接観察できる優れた方法
- 感染がわかったら、保険診療で除菌治療が可能
- 除菌により胃がんリスクは大きく下がる
- 症状がなくても、検診や健診で指摘された方、家族に胃がんがいる方は一度検査をおすすめします
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)