【医師監修】大腸ポリープはその場で切除できる?大腸カメラ治療の流れと注意点を解説

『大腸ポリープが見つかったらどうするの?』
『その場で切除できるって本当?』
『痛みや費用、リスクが気になる…』

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、単に観察するだけでなく、発見したポリープをその場で切除して治療できる検査です。
この記事では、大腸カメラによる大腸ポリープ切除の流れや注意点、費用、安全性などを専門医がわかりやすく解説します。


1. 大腸ポリープとは?放置してはいけない理由

大腸ポリープは、大腸の粘膜から突出する「できもの」です。
多くは良性ですが、特に腺腫性ポリープ
は放置すると年単位で大腸がんに進行する可能性があります。

そのため、

  • 発見したポリープはできるだけ早期に切除すること
  • 大きくなる前に除去すること

が、がん予防の観点から非常に重要です。


2. 大腸カメラでその場で切除できるって本当?

はい、その場で切除できるケースがほとんどです。
当院では、検査と同時に切除可能な体制を整えており、多くの患者さんが1回の大腸カメラで完了しています。

2-1. その場で切除できる条件

  • 良性が強く疑われる形状
  • おおむね10mm未満のポリープ
  • 出血や炎症がない状態
  • 抗血栓薬を休薬している場合(服薬中の場合は事前にご相談ください)

3. ポリープ切除の流れ:検査当日はこう進みます

3-1. 検査前日

  • 食事制限(低残渣食・検査食)
  • 夜に下剤の服用を開始

3-2. 検査当日

  • 朝から専用の下剤を飲み、腸をきれいにする
  • 検査で洋服が汚れないように個室の更衣室で着替え
  • 鎮静剤を使用し、眠った状態で検査開始

3-3. ポリープが見つかった場合

  • 大きさや形を観察
  • 必要に応じてスネア(ワイヤー)や高周波電流で切除
  • 出血予防にクリップ処置を行うことも

3-4. 検査後

  • 鎮静剤が切れるまで休憩
  • 切除後は飲食制限・安静の説明
  • 組織の結果は約1週間後に報告

4. ポリープ切除の痛みや危険性は?

当院では鎮静剤を用い、検査中の痛みや記憶はほとんどありません。
また、切除自体にも痛みはなく、日帰りで対応可能です。

4-1. 起こりうる合併症(頻度は非常に低い)

  • 出血(切除直後または数日後)
  • 穿孔(腸に小さな穴が開く)

これらはごく稀であり、当院では全例、出血・穿孔対策を含めた体制を整えています。
検査後に腹痛・血便・発熱があれば、迅速に対応します。


5. 費用はどのくらい?保険でできる?

大腸カメラ+ポリープ切除は健康保険が適用されます。
3割負担の方で、おおよそ以下が目安です。

内容自己負担額(3割負担)
大腸カメラ検査 (薬剤料込)約7500円
大腸カメラ検査 +病理検査(薬剤料込)約10000円
大腸カメラ検査+ポリープ切除(薬剤料込)約20000~30000円

※初診料・薬代・病理検査代などが加算される場合があります。


6. 切除後の注意点:何に気をつける?

  • 当日は激しい運動・飲酒・長風呂は避ける
  • 切除後1週間程度はアルコールや刺激物を控える
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいた方は再開時期を相談

ポリープの大きさや個数によっては、食事制限や安静期間を長めに取る場合もあります。
当院では検査後に医師が個別に詳しく説明いたします。


まとめ:ポリープは見つけたその日に取って、がんを防ぎましょう

  • 大腸ポリープはがんの前段階になることがある
  • 大腸カメラ中にその場で切除できるケースが多数
  • 鎮静剤と専門技術で痛みなく日帰り対応可能
  • 切除後は医師の指導に従えばリスクは極めて低い

検診で異常を指摘された方、便秘や下痢が続く方、40代以降で未検査の方は、一度の大腸カメラで安心と治療を手に入れましょう。


最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)