【医師監修】胃カメラ前の朝に水は飲んでもいい?検査を安全に受けるための注意点

『朝、うっかり水を飲んでしまったけど検査は大丈夫?』
『絶食って聞いたけど、水もNGなの?』
『のどが渇いてつらい…少しだけでも水分をとってもいい?』

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)を控えた朝、
こうした疑問や不安を抱える方は多くいらっしゃいます。

結論としては、多くの医療機関で「検査の2時間前までであれば、少量の水は飲んでもよい」とされています。
ただし、内容や量、タイミングに注意が必要です。

この記事では、胃カメラ前に水を飲んでもよいか?どこまでOKか?を、専門医がわかりやすく解説します。


1. なぜ胃カメラ前に食事や飲み物を制限するの?

胃カメラは、口からスコープを挿入し、食道・胃・十二指腸の内部を直接観察する検査です。
このとき胃の中に食べ物や水分が残っていると、以下のようなリスクがあります。

  • 観察できる範囲が狭まり、病変の見落としにつながる
  • 嘔吐による誤嚥(のどから肺へ入ってしまう)のリスクが高まる
  • スコープの通過時に強い吐き気や不快感を引き起こす

このため、検査前には絶食と飲水制限が必要なのです。


2. 朝に水を飲んでもいいのはいつまで?

基本的に、胃カメラ前の水分摂取についてのルールは以下の通りです。

■ 検査の6時間前まで

  • 食事はすべて禁止(牛乳・ジュースも不可)

■ 検査の2時間前まで

  • 水または白湯のみ、少量であればOK
  • 飲んでよい量の目安:コップ1杯(200ml)程度まで
  • コーヒー、お茶、スポーツドリンク、牛乳、アルコールなどはNG

特に、当院では検査2時間前以降は完全絶飲食をお願いしています。
それ以降は、水であっても飲まずにご来院ください。
但し、真夏は熱中症のリスクがあり、直前まである程度の飲水は行う必要があります。


3. 飲んでもよい水分と避けるべきもの

飲み物の種類飲んでよい?理由
水(常温・冷水)◎(少量)透明で胃に残りにくい
白湯◎(少量)胃にやさしく、安全
緑茶・紅茶×カフェインや渋み成分が刺激になる
牛乳×胃に長く残る可能性
コーヒー(無糖)×胃酸分泌を促し、刺激が強い
スポーツドリンク×糖分や電解質が胃に残りやすい
アルコール×絶対にNG。粘膜刺激+事故リスク

4. 水を飲んでしまったときの対処法

『うっかり検査直前に水を飲んでしまった…』
そのような場合は、すぐに医療機関に申し出てください。

  • 少量(100ml以下)であれば検査がそのまま可能なこともあります
  • 大量(300ml以上)または直前の飲水であれば、検査の延期も検討されます

安全のためにも、正直に申告することが一番大切です。
隠すことで、誤嚥などの重大事故につながるリスクが高まります。


5. 口の渇きがつらいときの対処法

絶飲食中の「のどの渇き」がつらいときは、以下の工夫を試してください。

  • うがいでのどを潤す(飲み込まない)
  • リップクリームや保湿マスクで口唇の乾燥対策

当院では、朝一番の検査予約を希望される方が多く、できる限りご希望に応じた時間調整を行っています。


まとめ:水は少量なら検査2時間前までOK。でも守るべきルールあり

  • 胃カメラ前は食事は6時間前まで、水は2時間前までが基本
  • 飲んでもよいのは透明な水か白湯のみ、少量にとどめる
  • 検査直前の飲水は、必ず医師に伝えることが重要
  • 安全で精度の高い検査のために、飲食制限はしっかり守りましょう

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)