【医師監修】内視鏡で見つかることが多い大腸ポリープとは?がんになる前に知っておきたい基礎知識
『健診で便潜血陽性といわれたけど、大腸ポリープって?』
『内視鏡検査を受けたらポリープが見つかった…がんになるの?』
『そもそもポリープってどうしてできるの?』
このような疑問や不安を抱える方は少なくありません。
大腸ポリープは、早期の段階で見つけて切除することで、大腸がんの予防につながる非常に重要な病変です。
この記事では、大腸ポリープの種類や原因、がん化のリスク、内視鏡での発見とその後の対応についてわかりやすく解説します。
1. 大腸ポリープとは?
大腸ポリープとは、大腸の内側の粘膜にできる“いぼ”のような隆起性病変のことを指します。
サイズや形状、組織の性質によって、良性のまま経過するものもあれば、将来的にがん化するものもあります。
多くのポリープは無症状で、健康診断での便潜血陽性や、大腸内視鏡検査で偶然見つかることが多いです。
2. 大腸ポリープの主な種類
2-1. 腺腫性ポリープ(せんしゅせい)
- 最も一般的で、がんになる可能性を持つ「前がん病変」です。
- 時間をかけて徐々にがんへ進行する可能性があるため、発見次第、内視鏡での切除が推奨されます。
2-2. 過形成性ポリープ
- 良性でがん化しにくいとされるポリープです。
- ただし、大腸の右側(上行結腸など)にできた場合は一部がん化のリスクがあるとされ、慎重な判断が求められます。
2-3. 炎症性ポリープ・若年性ポリープ
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)に伴ってできることがあり、多くは良性です。
- ごく一部にがん化のリスクを伴うケースもあるため、組織検査で確認が必要です。
3. 大腸ポリープができる原因とは?
大腸ポリープの明確な原因は特定されていませんが、次のような要因が関係していると考えられています。
- 加齢(50歳以降で発生率が上昇)
- 肉類や脂肪分の多い食事
- 野菜・食物繊維不足
- 喫煙・飲酒
- 遺伝的要素(家族に大腸がんの人がいる)
特に、生活習慣の欧米化によって日本人でも若年層のポリープが増加傾向にあることが報告されています。
4. 大腸ポリープとがんの関係
多くの大腸がんは、腺腫性ポリープが徐々に大きくなり、がん化する「腺腫→がんの連続説」に基づいて発生します。
- 一般的には、5mm未満の小さなポリープはがん化のリスクが低いとされますが、
10mmを超えるとがん化の可能性が上がるため、経過観察ではなく切除が推奨されます。 - がん化の進行は年単位でゆっくり進むため、定期的な大腸内視鏡検査が予防の鍵です。
5. 大腸ポリープは内視鏡で見つけて、その場で切除できる
当院の大腸内視鏡検査では、ポリープが見つかった際には、その場での切除(ポリペクトミー)を原則としています。
- 鎮静剤を使用した無痛の大腸カメラ検査で、苦痛なく受けられます。
- 内視鏡先端に処置具を通し、ポリープに輪をかけて切除。大きさや形によっては電気で焼きながら切除することもあります。
- 切除後はポリープを回収して病理検査を行い、良性か、がん化していないかを詳しく調べます。
6. ポリープ切除後の注意点と再発リスク
切除後は数日間、以下のような生活上の注意が必要です。
- 激しい運動・飲酒・刺激物の摂取を避ける
- 入浴はシャワー程度に
- 血便・腹痛・発熱がある場合は速やかに医療機関へ連絡
また、ポリープが複数個あった方や、がん化のリスクがあるポリープが見つかった方は、1年後の再検査が推奨されます。

まとめ:大腸ポリープはがんの芽。内視鏡検査で早めの対策を
- 大腸ポリープは初期に症状がなく、健診や内視鏡検査で偶然見つかることが多い
- 特に腺腫性ポリープは放置するとがん化する可能性がある
- 大腸内視鏡検査で早期発見・その場で切除すれば、大腸がんを未然に防ぐことができる
『便通の異常が続く』『便潜血陽性』『過去にポリープを指摘された』という方は、ぜひ一度、大腸カメラの受診をご検討ください。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)