【医師監修】暑い夏に胃もたれが続く…胃カメラで見えること|その不調、放っておかないで

『暑い日が続くと、食欲がない』『少し食べただけなのに、胃が重い感じがする』
夏になると、胃もたれや食後の不快感が長引くという相談が増えます。
冷たいものばかり口にしていませんか?それとも、夏バテだと思っていませんか?

実はその胃もたれ、胃の病気が隠れているサインかもしれません。

この記事では、胃もたれが続く原因と、胃カメラで何がわかるのかを医師の視点から詳しく解説します。


1. 胃もたれの原因は?夏に起こりやすいワケ

夏は以下のような理由で、胃腸に負担がかかりやすくなります。

  • 冷たい飲み物や食べ物によって胃の働きが鈍る
  • 水分や栄養が偏り、胃酸の分泌が乱れる
  • 暑さによる自律神経の乱れで、消化機能が低下
  • 食欲が落ち、空腹時間が長くなり胃粘膜が荒れやすい

こうした状況が続くと、慢性的な胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などを引き起こすことがあります。


2. 胃もたれが続くときに疑うべき病気

夏バテと思って放置していると、思わぬ病気が潜んでいる場合もあります。胃カメラを行うことで、以下のような病気の有無を確認できます。

  • 慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ菌感染)
  • 機能性ディスペプシア(胃の働きの異常)
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 胃ポリープ
  • 胃がん(初期段階は無症状のことも)

胃カメラでは、直接胃の中を観察し、炎症・びらん・出血・ポリープの有無を確認できます。必要があれば、組織を採取して病理検査も可能です。


3. 胃カメラ検査は怖くない?無痛で受けられる工夫

当院では、鎮静剤を使用した「無痛胃カメラ検査」を導入しています。

ウトウトと眠っている間に検査を終えることができ、「知らないうちに終わっていた」「苦しくなかった」という声を多数いただいています。

さらに、バイタルモニターで血圧・脈拍・酸素飽和度を常時監視し、安全に検査を行っています。


4. 胃もたれの裏に潜むピロリ菌感染とは?

慢性的な胃もたれが続く方は、ピロリ菌感染の可能性も視野に入れるべきです。

ピロリ菌は、胃粘膜に慢性的な炎症を起こし、胃がんのリスクを高めることが知られています。

胃カメラでは、ピロリ菌による萎縮性胃炎の所見も判断可能です。
必要に応じて検査を行い、陽性であれば除菌治療を行うことができます。


5. 放置しないで!胃もたれが2週間以上続くなら受診を

  • 胃もたれが2週間以上続いている
  • 食欲がない、食後に気持ち悪くなる
  • 胃薬を飲んでも改善しない
  • 吐き気・げっぷ・胸焼けがある

このような症状がある場合は、一度胃カメラを受けてみることをおすすめします。

早期に原因を特定し、必要な治療を始めることで、将来の胃がんリスクを大きく下げることにもつながります。


6. 胃カメラは予約制、当日の流れと注意点

当院の胃カメラは完全予約制です。
前日の夜は軽めの食事をとり、検査当日は絶食でご来院いただきます。

鎮静剤を使用される方は、検査後しばらく休んでいただきます。
そのため、検査当日の運転は不可、公共交通機関でのご来院をお願いしています。


まとめ:夏の胃もたれ、ただの食べ過ぎや疲れと決めつけないで

胃もたれが長引く原因の多くは、胃の機能低下や粘膜の炎症によるものです。
夏はそのリスクが高まりやすいため、検査でしっかり原因を確認し、適切な治療に進むことが大切です。


最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)