【医師監修】夏だからこそ気をつけたい食中毒予防と内視鏡の早期発見
『夏場に食欲がない』『お腹が痛い』『下痢が続く』
そんな症状、単なる夏バテや冷たいものの摂りすぎだと思っていませんか?
実は、高温多湿の日本の夏は、食中毒や胃腸感染症のリスクが非常に高まる季節です。
しかも、軽い症状に見えても、消化管に炎症や潰瘍を残したり、他の病気のきっかけとなることがあります。
この記事では、夏の食中毒予防とあわせて、内視鏡検査による早期発見の重要性について、消化器専門医の立場から解説します。
1. 夏に多い食中毒の原因とは?
夏は気温・湿度が高く、細菌やウイルスが繁殖しやすい環境です。
以下のような原因菌が代表的です。
- カンピロバクター(鶏肉や加熱不十分な肉類)
- サルモネラ菌(卵、生肉、ペットとの接触)
- 腸管出血性大腸菌(O157など)
- 黄色ブドウ球菌(おにぎり、お弁当)
- ノロウイルス・アデノウイルス(手指や調理器具を介して)
一見きれいなキッチンや手作り料理でも、ちょっとした油断で感染することがあります。
2. 食中毒予防のために今日からできること
夏場の食中毒は、ちょっとした工夫で予防可能です。
- 食材は購入後すぐ冷蔵・冷凍する
- 調理前後・トイレ後・食事前は必ず手洗い
- 肉や魚は十分に加熱(中心部75℃で1分以上)
- 生野菜や果物も流水で丁寧に洗う
- 調理器具のこまめな消毒・乾燥を徹底
- 作り置きは避ける、またはすぐ冷却・保存
とくに子どもや高齢者は免疫力が弱いため、家族全体での対策が大切です。
3. こんな症状があったら要注意
- 急な腹痛・下痢・発熱
- 血便や粘液便
- 吐き気・嘔吐が続く
- 2〜3日経っても回復しない
- 症状が軽くなっても、胃腸に違和感が残る
こうした症状があるときは、単なる胃腸炎だけではなく、胃潰瘍・感染性腸炎・ポリープ・潰瘍性大腸炎などが隠れている可能性もあります。

4. 内視鏡検査でわかることとは?
当院では、胃や大腸の不調が続く方に、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を行っています。
胃カメラでわかる主な疾患:
- 急性胃炎、胃潰瘍
- ピロリ菌感染
- 食道炎、逆流性食道炎
- 胃がん、ポリープ
大腸カメラでわかる主な疾患:
- 感染性腸炎の増悪
- 大腸ポリープ、大腸がん
- 潰瘍性大腸炎、クローン病
- 虚血性腸炎、痔、憩室症
早期の段階で発見できれば、治療も軽く済み、将来のリスクを大幅に下げられます。
5. 無痛で受けられるからこそ、気軽に相談を
当院では、鎮静剤を使った無痛内視鏡検査を提供しています。
ウトウトしている間に検査が終わり、
バイタルモニターで血圧・酸素濃度などを常時監視し、安全性も確保しています。
夏は特に「疲れている」「脱水ぎみ」な方が多いため、
検査前後の水分指導や体調確認も徹底しています。
まとめ:夏の胃腸症状を見逃さず、内視鏡でしっかりチェックを
- 夏は細菌性の食中毒が多く、胃腸に負担がかかりやすい
- 一時的な下痢や腹痛でも、長引くと病気が潜んでいることも
- 胃カメラ・大腸カメラで早期に原因を特定することが重要
- 当院では、無痛で安心な内視鏡検査を提供しています
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)
