【医師監修】ピロリ菌を除菌してあとは放置でいい?除菌後も毎年胃カメラを受けなければいけない理由とは
『ピロリ菌は除菌したから、もう安心だよね?』
『薬を飲んで除菌成功したって言われたから、もう検査はいらないよね?』
そんなふうに思っていませんか?
実は、ピロリ菌除菌後こそ定期的な胃カメラが必要なのです。
除菌をしたからといって油断すると、胃がんの早期発見のチャンスを逃してしまうかもしれません。
1. ピロリ菌除菌=胃がんリスクゼロではない
ピロリ菌は、胃がんの最大の危険因子とされています。
そのため、除菌治療を行うことで胃がんの発症リスクは大きく低下します。
しかし、ここが重要なポイントです。
除菌後も、すでにできてしまった「胃の変化」はそのまま残る可能性があるのです。
- 胃の萎縮(胃粘膜が薄くなる変化)
- 腸上皮化生(胃粘膜が腸のような組織に置き換わる前がん状態)
このような状態があると、ピロリ菌を除菌しても胃がんが発生することがあるため、定期的な観察が必要です。
2. 除菌後の胃がんは“早期で無症状”が多い
除菌に成功した方でも、一定の確率で胃がんが見つかることがあります。
特に問題なのは、
- 胃がんが無症状のまま進行するケースが多い
- 除菌後のがんは一見わかりにくく、粘膜の色調変化だけの場合もある
- 発見が遅れると、進行がんとして手術・抗がん剤が必要に
だからこそ、専門医による定期的な胃カメラが、命を守るカギとなるのです。
3. 毎年の内視鏡検査が推奨される理由
ピロリ菌を除菌した後の胃は、**「がんになりにくいが、ゼロではない」**という状態です。
そのため、多くの消化器専門学会では、以下のように推奨しています。
- 除菌後も毎年1回の内視鏡検査を継続する
- とくに除菌前に萎縮や腸上皮化生があった方は要注意
- 前回の検査で異常なしでも、新しい病変が1年でできる可能性がある
毎年の胃カメラによって、がんを早期に見つけて早期に治療することができます。

4. 当院の胃カメラは“無痛で日帰り”、毎年でも負担が少ない
『検査ってつらい』『毎年はちょっと…』
そう感じている方もご安心ください。
当院では、次のようなストレスの少ない内視鏡検査を行っています。
- 鎮静剤を使って眠ったまま検査終了
- 鎮静中はバイタルモニターで呼吸・脈拍などを常時監視
- 細径スコープや鼻からの挿入も選べて苦痛を最小限に
- 終了後はそのままリカバリーで休憩し、日帰りで帰宅可能
- 専門医が丁寧に結果を説明し、今後の方針もご提案します
『毎年受けても苦にならない』と感じていただけるよう、体制を整えています。
5. 除菌成功の先にある「安心」を手に入れるために
ピロリ菌の除菌は、胃がん予防の第一歩。
しかし、それだけでは万全とは言えません。
- 除菌後も油断せず、胃の状態を毎年チェックする
- がんができても早期で見つければ治療で完治できる
- 『安心』は、検査で得られる最大の価値です
“今、症状がない”ことよりも、
“未来に安心できる”ことを大切にしてください。
ご案内
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)
