脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積する状態です。
無症状の場合が多いですが、進行すると肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
原因は?
肥満、糖尿病、高脂血症、アルコール摂取が主な原因です。
症状は?
多くの場合、無症状です。
進行すると肝障害、疲労感、腹部の不快感が現れます。
検査方法は?
肝臓の超音波検査、血液検査(肝機能検査)が行われます。
注意点は?
生活習慣(食事と運動)の改善が重要です。
脂肪肝は昔は問題ないと思われていましたが、今では脂肪肝のうちの一部が脂肪肝炎になり、そこから肝硬変や肝がんが出てくることが分かりました。
脂肪肝炎については後程解説しますが、アルコールを飲んでいない方の脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎)による肝がんのリスクが思いのほか高いことに注意が必要です。
治療法は?
体重を減らすために食事療法、運動が基本です。
アルコール性脂肪肝の場合は禁酒が必要です。
急性肝炎
急性肝炎は、肝臓の急性炎症を特徴とする疾患です。
ウイルス感染が主な原因です。
原因は?
A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎ウイルスが主な原因です。
薬物や毒物も原因となることがあります。
症状は?
発熱、黄疸、倦怠感、食欲不振、腹痛が見られます。
検査方法は?
血液検査(肝機能検査、ウイルス抗体検査)、腹部超音波検査が行われます。
注意点は?
感染予防が重要です。
特にA型肝炎は食べ物から感染することが多く、B型肝炎は性的な接触で感染することが多いです。
B型肝炎などでは予防接種があり、適切な年齢で接種をうけることが大切です。
治療法は?
基本は対症療法が中心です。
場合によっては、ウイルスに対する抗ウイルス薬が用いられます。
B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)による肝臓の感染症です。
慢性化すると肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
原因は?
B型肝炎ウイルスの感染が原因です。
血液や体液を介して感染します。
症状は?
急性の場合は、発熱、黄疸、倦怠感、食欲不振が見られます。
慢性の場合は無症状が多いです。
検査方法は?
血液検査(HBV抗体検査、肝機能検査)、腹部超音波検査が行われます。
注意点は?
予防接種が有効です。
感染が確認された場合は定期的な検査が必要です。
治療法は?
急性の場合は対症療法が中心になります。
慢性の場合は抗ウイルス薬(インターフェロン、核酸アナログ)が用いられます。
C型肝炎
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)による肝臓の感染症です。
慢性化すると肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
原因は?
C型肝炎ウイルスの感染が原因です。
血液を介して感染します。
症状は?
多くの場合、無症状です。
進行すると倦怠感、黄疸、腹痛が見られます。
検査方法は?
血液検査(HCV抗体検査、肝機能検査)、腹部超音波検査が行われます。
注意点は?
感染予防が重要です。
感染が確認された場合は定期的な検査と、ウイルスを排除する薬剤が重要です。
最近は新薬によりウイルスを高確率で排除できるようになりました。
治療法は?
抗ウイルス薬(直接作用型抗ウイルス薬、DAA)が用いられます。
治療により高い確率でウイルスが排除されます。
アルコール性肝炎
アルコール性肝炎は、長期間の過度なアルコール摂取による肝臓の炎症です。
原因は?
過度なアルコール摂取が主な原因です。
症状は?
腹痛、黄疸、倦怠感、食欲不振が見られます。
重症の場合は肝不全を引き起こします。
肝硬変や肝がんにつながることが多いです。
検査方法は?
血液検査(肝機能検査)、腹部超音波検査が行われます。
注意点は?
アルコールの摂取を中止することが重要です。
アルコール性肝炎にはアルコール依存症が隠れていることが多いです。
そのため、禁酒ができるように専門的な治療が必要なことがあります。
治療法は?
禁酒、栄養管理、薬物療法が行われます。
重症の場合は入院治療が必要です。
非アルコール性脂肪肝炎
(MASH:Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis)
非アルコール性脂肪肝炎(MASH:マッシュ)は、アルコール摂取とは関係なく、肝臓に脂肪が蓄積し、炎症や線維化を引き起こす状態です。
原因は?
肥満、糖尿病、高脂血症が主な原因です。
症状は?
多くの場合、無症状です。
進行すると倦怠感、腹部の不快感が見られます。
肝硬変や肝がんにつながることが多いです。
検査方法は?
肝臓の超音波検査、血液検査(肝機能検査)、肝生検が行われます。
注意点は?
脂肪肝は昔は問題ないと思われていましたが、今では脂肪肝のうちの一部が脂肪肝炎になり、そこから肝硬変や肝がんが出てくることが分かりました。
脂肪肝炎については後程解説しますが、アルコールを飲んでいない方の脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎)による肝がんのリスクが思いのほか高いことに注意が必要です。
治療法は?
体重管理、食事療法、運動が基本です。
必要に応じて薬物療法が行われますが、特効薬がいまだにありません。
最も重要なのは体重を減らすことです。
肝硬変
肝硬変は、肝臓の線維化が進行し、正常な肝組織が失われる状態です。
肝機能が低下し、肝不全に至ることがあります。
肝がんが発生するリスクもあります。
原因は?
慢性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎が主な原因です。
症状は?
倦怠感、腹部膨満感、黄疸、腹水、意識障害が見られます。
検査方法は?
血液検査(肝機能検査)、腹部超音波検査、CTスキャン、肝生検が行われます。
注意点は?
肝硬変が進行すると肝がんのリスクになるだけでなく、肝不全といって肝臓の機能が下がり、命に関わることがあります。
肝臓は人間の臓器の中で再生能力が最も高いです。
ただし、肝硬変が進むと再生能力がなくなってしまい、元には戻らなくなります。
治療法は?
原因疾患の治療により、肝硬変の進行を抑えます。
重症では肝移植が行われますが、日本では移植の機会は少ないです。
肝がん
肝がんは、肝臓に発生する悪性腫瘍です。
肝細胞がんが最も一般的です。
原因は?
慢性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)、肝硬変が主な原因です。
症状は?
初期では無症状です。
腹部の痛みや不快感、倦怠感、黄疸、体重減少が見られます。
検査方法は?
腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI、血液検査(腫瘍マーカー)、肝生検が行われます。
注意点は?
肝がんの発見に一番重要なのは腹部超音波検査です。
肝がんはラジオ波焼灼(しょうやく)療法(RFA:ラジオ波で腫瘍を焼く治療)により、予後が大きく改善しました。
肝臓を切除してしまうと、肝臓の機能が下がりすぎてしまう場合があるのですが、ラジオ波焼灼療法により腫瘍のみを焼くことができ、肝臓の正常な部分を温存しながら治療をすることができるようになりました。
治療法は?
外科的切除をまずは考えます。
場合によってはラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、化学療法(抗がん剤)による治療が行われます。
胆のうがん
胆のうがんは、胆のうに発生する悪性腫瘍です。
早期発見が難しく、進行した状態で発見されることが多いです。
原因は?
胆石症、胆のうポリープ、慢性胆のう炎がリスク要因です。
症状は?
初期は無症状が多いです。
進行すると腹部の痛み、黄疸、体重減少が見られます。
検査方法は?
腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI、血液検査(腫瘍マーカー)、胆道造影が行われます。
注意点は?
胆のうがんは早期発見が難しいです。
どうしてかというと、胆のうがんは進行するまでは症状が出ずらいからです。
症状が出た時には治療が限られてしまうことが多いです。
治療法は?
外科的切除が主な治療法です。
進行した場合は化学療法、放射線療法が行われます。
胆管がん
胆管(たんかん)がんは、胆管に発生する悪性腫瘍です。
胆管の狭窄や閉塞を引き起こします。
原因は?
胆石症、胆道感染、慢性胆管炎がリスク要因です。
症状は?
黄疸、腹部の痛み、体重減少が見られます。
検査方法は?
腹部超音波検査、腹部CT検査、MRI、血液検査(腫瘍マーカー)、胆道造影が行われます。
注意点は?
胆管がんも進行しないと症状がでないめ、早期発見が難しいです。
治療法は?
外科的切除が主な治療法です。
進行した場合は化学療法、放射線療法が行われます。
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