【医師監修】便秘に効く漢方や便秘茶はキケン!長期に飲んでいると起こる事
便秘に悩む方の中には、市販の便秘茶や漢方薬に頼っている方も多いのではないでしょうか。手軽で「自然な方法」と思えるため安心感がありますが、実は長期に続けると体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、便秘茶や便秘用漢方薬のリスクと安全な便秘対策について、医師の視点から詳しく解説します。
1. 便秘茶や便秘用漢方薬の多くに含まれる成分
便秘茶や便秘に効くとされる漢方薬の多くには「センナ」や「ダイオウ(大黄)」などの成分が含まれています。これらは腸を直接刺激して排便を促す「刺激性下剤」に分類され、即効性がある一方で、長期使用には注意が必要です。
1-1. センナ・ダイオウの作用
センノシドという成分が大腸の蠕動運動を強く刺激し、水分を吸収する前に便を排出します。そのため、便秘の一時的な改善には効果的ですが、腸に「刺激がないと動かない」状態を作ってしまう可能性があります。
1-2. 刺激性下剤と緩下剤の違い
緩下剤(酸化マグネシウムなど)は腸を直接刺激せずに便を柔らかくして排出を促します。一方、刺激性下剤は「腸の動きを無理やり活発化」させるため、長期使用による腸機能低下が問題となります。
2. 長期使用で起こる可能性がある健康被害
便秘茶や便秘漢方を長期間飲み続けると、以下のような症状や病態が起こるリスクがあります。
2-1. 弛緩性便秘(薬剤依存型便秘)
刺激性下剤を長く使用すると、大腸の神経や筋肉が慣れてしまい、自力で動く力が弱くなります。その結果、薬を飲まないと便が出ない「下剤依存状態」に陥ります。
2-2. 腸メラノーシス(大腸黒皮症)
センナやダイオウを長期間使用すると、大腸粘膜にメラニン色素が沈着して黒っぽく変色する「大腸メラノーシス」が起こることがあります。見た目は黒くてもがん化するわけではありませんが、腸の機能低下と関連していると考えられます。
2-3. 電解質異常
下痢が続くことでカリウムが失われ、低カリウム血症になることがあります。低カリウム状態では筋力低下や不整脈が起こり、重症化すると命に関わることもあります。
3. 「自然だから安全」は誤解
「漢方」や「お茶」というと自然で安全なイメージを持たれがちですが、薬理作用が強いものも少なくありません。特に便秘茶の多くは、ハーブとしてセンナやアロエ、キャンドルブッシュなどの刺激性成分を含みます。
3-1. 健康食品でも医薬品と同じ作用
便秘茶は「健康食品」の形で販売されていても、成分としては医薬品とほぼ同じ作用を持ちます。したがって、長期的な連用は医師の管理なしでは危険です。
3-2. 安易な自己判断は避ける
慢性的な便秘の裏には、大腸がんや炎症性腸疾患などの重大な病気が隠れている場合もあります。便秘が長引くときは、まず医療機関で原因を調べることが大切です。

4. 安全で根本的な便秘改善法
刺激性下剤に頼らず、腸本来の動きを取り戻すためには生活習慣の改善と医師による適切な治療が重要です。
4-1. 食物繊維と水分の摂取
野菜、果物、海藻、きのこ、穀物などからバランスよく食物繊維を摂り、十分な水分をとることで便の量と柔らかさを保ちます。
4-2. 適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は腸の蠕動運動を促します。
4-3. 医師による便秘治療
酸化マグネシウムなどの非刺激性下剤、腸内環境を整える薬、便通改善薬などを症状に合わせて使用します。当院では、必要に応じて大腸内視鏡検査を行い、便秘の背景に病気が隠れていないかを確認します。
5. 当院での便秘診療と内視鏡検査
便秘が続く場合や下剤依存が疑われる場合、早めに医療機関での検査を受けることが大切です。当院では、無痛で日帰り可能な内視鏡検査を行い、大腸がんや炎症性腸疾患などの有無を丁寧に確認します。最新機器を使用し、鎮静剤による楽な検査が可能です。専門医による豊富な経験と徹底した院内感染対策で、初めての方も安心して受けていただけます。葛飾区金町駅から徒歩7分の好立地で、忙しい方でも通いやすい環境を整えています。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック 院長 吉田 翼(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門専門医)
