【医師監修】大腸がん検診は何歳から受けるべき?40代から始めるべき理由と見逃しを防ぐ方法
『大腸がん検診って、何歳から受ければいいの?』
『まだ若いから、必要ないのでは?』
『健診の便潜血は毎年出してるけど、それで十分?』
こうした疑問をお持ちの方は多いと思います。
実際、大腸がんは「高齢者の病気」と思われがちですが、40代から発症が増加し始め、50代以降では急増します。
この記事では、医学的根拠にもとづいた大腸がん検診の推奨年齢と、早めに検査を受けるべき理由をわかりやすく解説します。
1. 大腸がんは何歳から増える?
国立がん研究センターの統計によれば、大腸がんの罹患率は40代後半から上昇し、50代以降で一気に増加します。
特に、日本人女性では大腸がんががん死亡数の第1位、男性でも上位を占めています。
これは食生活や運動不足、腸内環境などの影響によるもので、若い世代にもリスクは確実に存在しています。
2. 日本の大腸がん検診の推奨年齢は「40歳以上」
厚生労働省および日本消化器がん検診学会の指針では、
便潜血検査(検便)による大腸がん検診は、40歳以上の方に年1回の受診が推奨されています。
これは、早期がんであれば便に出血して発見できる可能性があるためです。
ただし、便潜血が陰性でも100%安心とは限らないという点が非常に重要です。
3. 便潜血検査だけでは不十分な理由
便潜血検査(検便)は手軽で広く使われていますが、出血していないポリープや早期がんは見つからない可能性があります。
- 実際にがんがあるのに「陰性」になるケース(偽陰性)
- 痔や生理の影響で「陽性」になってしまうケース(偽陽性)
これらの理由から、便潜血陽性なら必ず大腸カメラ(内視鏡)で精密検査を受けることが重要です。
4. 大腸カメラは40代からのがん予防に有効
近年では、大腸カメラを予防目的で40代から定期的に受けることの意義が注目されています。
なぜなら、大腸がんの多くはポリープという「前がん病変」から始まるため、
ポリープの段階で切除すれば、がんになる前に予防できるからです。
特に以下の方は40代からの大腸カメラが強く推奨されます。
- 家族に大腸がんの方がいる
- 便秘や腹部の不調がある
- 喫煙歴や飲酒習慣がある
- 肥満・高脂肪食中心の生活をしている

5. アメリカでは「45歳から内視鏡検査推奨」へ
米国がん協会(ACS)は2018年に、大腸がんの増加を受けて内視鏡検査の開始年齢を50歳から45歳に引き下げるガイドラインを発表しました。
これは、スクリーニング検査と言って、「症状がない方」が対象のガイドラインです。
つまり、腹痛や血便などの症状が全くなにもない場合にも病気が隠れている可能性があるのです。
日本でも同様に、40代でポリープや早期がんが見つかるケースが増えており、より早期からの予防が求められています。
6. 『まだ早い』は誤解、後悔のない検査を
40代は仕事・家庭・子育てなどで多忙な時期ですが、大腸がんは無症状で進行するため、「今何もないから大丈夫」とは言い切れません。
- 忙しい今こそ、一度受けておけば数年は安心
- 異常が見つかれば早期対応が可能
- ポリープ切除で、未来のがんリスクをゼロに近づけられる
検査を受けて異常がなければ、何よりの安心材料になります。
まとめ:大腸がん検診は40歳からが常識、50代ならすぐに検査を
- 大腸がんは40代から増え始め、50代で急増
- 日本の推奨は40歳以上の年1回の検便
- より確実にがんを防ぐには、大腸カメラによる精密検査が効果的
- ポリープ切除=将来のがん予防、そして長生きにつながる
当院では、苦痛の少ない無痛内視鏡検査を日帰りで提供しています。
鎮静剤でウトウトしている間に検査が終わり、高精度・高安全な検査体制を整えています。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)