【医師監修】【夏編】大腸カメラ前日、ビールはNG?暑い季節の検査前注意ポイント
『夏場の大腸カメラ、前日の夜にビールを飲んでもいいの?』
『冷たいお酒で一息つきたいけど、検査に影響ある?』
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に夏は冷たい飲み物が欲しくなる季節。とはいえ、検査前日のお酒や食事の内容は、腸の中の状態に直結します。
この記事では、大腸カメラ前日のアルコールの可否や、夏に気をつけたいポイントを、内視鏡専門医がわかりやすく解説します。
1. 結論:前日のビールはNG。アルコールは避けてください
大腸カメラの前日は、アルコール全般(ビール・焼酎・ワインなど)を控えるようにお願いしています。
その理由は以下の通りです。
- アルコールは腸を刺激して下痢や出血を引き起こす可能性がある
- 水分バランスが崩れて脱水を起こすことがある(特に夏は要注意)
- 肝臓への負担が増えると、鎮静剤の効き方にも影響する可能性
たとえ1杯でも、腸の中をきれいに保ち、安全に検査を行うためには避けることが望ましいとされています。
2. 夏の検査前日、脱水対策として「水分補給」はしっかりと
暑さで汗をかきやすい夏場は、検査の前から体が軽い脱水傾向になっている方が多く見られます。
しかし、下剤の効果を保ち、腸の中をきれいにするためには、水分をしっかり摂っておくことが重要です。
検査前日におすすめの水分:
- 水
- 白湯
- 薄めたスポーツドリンク(糖分控えめ)
- 麦茶(ノンカフェイン)
避けた方がいいもの:
- アルコール(ビール・ハイボールなど)
- コーヒー・紅茶(カフェインが利尿作用を促すため)
- 乳飲料(消化に時間がかかるため)
3. 冷たすぎる飲み物に注意
実は冷たすぎる飲み物は胃腸の動きを一時的に鈍らせてしまうことがあります。
検査前は腸の動きが大事なタイミング。
胃腸に負担をかけないためにも、冷たすぎない水分がおすすめです。

4. 前日の食事は「低残渣食」で軽めに
アルコールとあわせて注意してほしいのが「食事の内容」です。
前日の夜は、腸内にカスを残しにくい“低残渣食”を意識しましょう。
おすすめ:
- うどん(具は少なめ)
- 白ごはん+豆腐や白身魚
- 野菜スープ(繊維質は避ける)
避けたいもの:
- キノコ・海藻・ごま・こんにゃく・脂っこい肉
- 生野菜・サラダ
- 揚げ物・ナッツ類
腸内をきれいに保つことが、検査の精度にもつながります。
5. どうしても飲みたくなったら?代わりにできること
どうしても「一息つきたい」「習慣的に飲んでいたから落ち着かない」という方へ。
ビールの代わりに、以下のようなリラックス法はいかがでしょうか。
- 白湯やレモン水で気分転換
- 湯船にゆっくり浸かってリラックス
- ストレッチや軽い散歩
大腸カメラの前日を乗り切ることは、自分の健康を守る第一歩です。
検査後には安心感が得られ、必要があれば治療にも早く進むことができます。
まとめ:夏こそ「ビール1杯くらい…」に注意。前日の過ごし方が検査の質を決める
- 大腸カメラ前日のアルコール(ビール含む)はNG
- 脱水予防のため、こまめな水分補給を
- 食事は低残渣を意識し、消化にやさしく
- 冷たすぎる飲み物も刺激になるため控えめに
特に夏場は、体調を崩しやすい時期。
万全な状態で検査に臨むためにも、前日の過ごし方はとても大切です。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)
