【医師監修】【葛飾区金町】健診結果でHbA1c(ヘモグロビンA1c)が高い場合の対処法
健診結果で「HbA1c(ヘモグロビンA1c)が高め」と指摘されたとき、
「まだ糖尿病ってわけじゃないから大丈夫かな?」
「放っておいても下がるかもしれないし…」
と、つい受診を先延ばしにしてしまっていませんか?
HbA1cは過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映する指標で、糖尿病の診断と管理において非常に重要な検査値です。
本記事では、健診でHbA1c高値を指摘された方に向けて、その意味・放置リスク・適切な受診時期・生活改善のポイントをわかりやすく解説します。
当院「金町よしだクリニック」では、日本消化器病学会・日本内科学会の専門医が、血糖管理と内科全般を丁寧にサポートいたします。
1. HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは?どんな意味があるのか
HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を示す指標です。
血糖値が高い状態が続いていると、HbA1cも高くなります。
1-1. 一般的なHbA1cの基準値
判定 | HbA1c(%) | 意味 |
---|---|---|
正常 | 5.6以下 | 血糖コントロール良好 |
境界型 | 5.7〜6.4 | 糖尿病予備群の可能性あり |
糖尿病型 | 6.5以上 | 糖尿病の診断基準の一つ |
健診でHbA1cが5.7〜6.4%の場合、「糖尿病予備群」と呼ばれ、生活改善が極めて重要な段階です。
一方で、6.5%以上なら糖尿病の可能性が高く、医療機関での再検査と治療が必要になります。
2. HbA1cが高くなる原因とは?
HbA1cが上がる背景には、以下のような生活習慣や体質的要因があります。
2-1. 食べすぎ・糖質の摂りすぎ
- 白米やパン、麺類などの炭水化物中心の食生活
- お菓子やジュース、アルコールなどの間食習慣
2-2. 運動不足
筋肉を使わない生活が続くと、ブドウ糖をうまく消費できず、血糖が上昇しやすくなります。
2-3. 肥満(特に内臓脂肪型)
BMI25以上の肥満は、インスリンの効きが悪くなり、血糖値のコントロールが難しくなります。
2-4. ストレス・睡眠不足
ストレスや睡眠の質の低下も、ホルモンバランスに影響し、インスリン抵抗性が上がる原因になります。
2-5. 遺伝的体質
家族に糖尿病患者がいる場合、自分もなりやすい傾向があり、HbA1cも上がりやすいです。
3. HbA1cが高いまま放置するとどうなる?
自覚症状がほとんどないために、HbA1cの上昇を軽視してしまう方もいますが、高血糖状態は確実に全身の血管にダメージを与えていきます。
3-1. 初期には症状が出にくい
- 喉が渇く
- トイレが近い
- 体重が減る
などの症状があっても、軽いため見逃されがちです。
3-2. 中期以降は合併症が進行
- 神経障害(しびれ、感覚鈍麻)
- 網膜症(視力低下、失明リスク)
- 腎症(透析が必要なケースも)
- 動脈硬化の促進(脳梗塞・心筋梗塞リスク)
3-3. 癌との関係にも注目
近年では、高血糖ががんの発生リスクを高めることもわかっており、放置は長期的に大きな健康被害へとつながります。
4. 健診でHbA1c高値を指摘されたときの受診タイミング
HbA1cが5.7%以上なら、できるだけ早めに内科を受診しましょう。
特に次のような場合は早急な再評価が必要です。
- HbA1c 6.0%以上
- 家族に糖尿病患者がいる
- 太りやすくなった、最近疲れやすい
- 空腹時血糖も同時に高かった(100mg/dL以上)
当院では、問診・生活習慣の確認・必要に応じた再検査・栄養指導などを丁寧に実施しています。
5. 金町よしだクリニックでの糖尿病・高HbA1cへの対応
当院では、内科専門医がHbA1c異常を指摘された方に対して、次のような流れで診療を行っています。
5-1. 生活習慣チェックとリスク評価
- 食事内容、時間、間食、飲酒などを詳細にヒアリング
- ストレス・睡眠・運動習慣の見直しをアドバイス
5-2. 必要な血液検査・尿検査
- 空腹時血糖、随時血糖、インスリン抵抗性評価
- 腎機能・脂質・肝機能・尿たんぱくのチェックで合併症リスクの確認も
5-3. 内視鏡による消化器系疾患のチェック
高血糖状態が長く続いている方や、肝機能異常のある方には、最新機器による無痛・日帰りの胃カメラや大腸内視鏡検査を実施。
糖尿病と関係の深い「脂肪肝」や「ピロリ菌感染」などの確認も行います。
5-4. 管理栄養士の指導も可能
ご希望があれば、食事療法や減量指導など、専門的なアプローチをチームで実施しています。
5-5. 必要に応じた薬物療法
糖尿病が疑われる場合には、血糖値を安定させる内服薬やインスリンなどを状況に応じて提案します。
6. 自分でできるHbA1c改善のための生活習慣とは?
HbA1cを下げるには、毎日の積み重ねがカギです。今日からできる対策をご紹介します。
6-1. 食事のコツ
- 主食を“茶色系”に(玄米、全粒粉など)
- 糖質の多い食材は食べる順番を意識(野菜→タンパク質→炭水化物)
- よく噛んで、食後の急激な血糖上昇を防ぐ
6-2. 運動習慣の確立
- 週150分以上のウォーキングやスイミング
- 筋トレも併用することでインスリン感受性が向上
6-3. 睡眠・ストレス管理
- 7〜8時間の質の高い睡眠
- 深呼吸やストレッチなどで副交感神経を刺激
6-4. 禁煙・節酒
- タバコはインスリン抵抗性を高めます
- アルコールは糖分とカロリーが高く、適量が大切
7. まとめ:HbA1c高値を指摘されたら、早めの受診が健康を守る第一歩
健診でHbA1cが高いとわかったら、
「大丈夫だろう」「とりあえず様子見」と思わず、早めに医師に相談することが大切です。
生活習慣の見直しや食事・運動の工夫次第で、数ヶ月後には大きく改善することも可能です。
金町よしだクリニックでは、地域のかかりつけ医として、健診結果を見逃さず、患者さまに寄り添った診療を行っています。
金町よしだクリニックでは、最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)

