【医師監修】アルコールで顔が赤くなりやすい人は食道がんに注意!?
『お酒を飲むと顔が真っ赤になる…これって体質?』
『なんとなく弱いだけだと思っていたけれど、がんと関係あるの?』
そんな疑問を抱えている方は要注意です。
実は、飲酒で顔が赤くなる人は、そうでない人に比べて「食道がん」のリスクが非常に高いという事実があります。
この記事では、顔が赤くなる体質の正体と、なぜ食道がんのリスクが高くなるのか、どう予防すべきかを専門医がわかりやすく解説します。
1. 顔が赤くなる体質は「ALDH2欠損型」
お酒を飲んで顔が赤くなる人は、体内でアセトアルデヒドという有害物質をうまく分解できない体質である可能性が高いです。
これは日本人の約4割にみられるALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)活性が低い、もしくは欠損している体質です。
この体質の人がアルコールを摂取すると、
- 肝臓でアルコールがアセトアルデヒドに分解されたあと、
- そのアセトアルデヒドが体内に長く残るため、
- 顔の赤み、動悸、吐き気などの反応が出やすくなります。
2. アセトアルデヒドと食道がんの深い関係
アセトアルデヒドは発がん性が極めて高いことが知られています。
とくに、口腔や咽頭、食道などの粘膜に直接さらされるため、食道がんリスクが大幅に上昇します。
国立がん研究センターの調査では、
ALDH2活性が低い人が毎日飲酒を続けると、食道がんリスクは10倍以上に跳ね上がることが報告されています。
つまり、「お酒で顔が赤くなる人が飲み続けること」は、
遺伝的にがんリスクの高い生活をしていることになるのです。
3. どんな症状に注意すべき?
食道がんの初期にはほとんど症状がありません。
進行すると、
- 食べ物がつかえる感じ
- のどの違和感
- 胸の痛みやしみる感じ
- 体重減少や声のかすれ
といった症状が現れます。
しかしこれらの症状が出る頃には、すでにがんが進行しているケースが多いため、
定期的な内視鏡検査が唯一の早期発見手段です。

4. 顔が赤くなる人がとるべき予防策
- 飲酒をなるべく控える(少量でもリスクは上がります)
- 飲酒するなら週に1~2回、少量に留める
- 喫煙をしている人は、相乗効果でさらに食道がんリスクが高くなるため要注意
- 40歳を過ぎたら胃カメラ・食道内視鏡検査を定期的に受ける
- 家族にがん経験者がいる方は特に注意
5. 胃カメラでの食道チェックが安心への第一歩
当院では、最新の経鼻内視鏡・鎮静下検査に対応し、
苦痛の少ない胃カメラで、食道から胃・十二指腸までしっかり観察できます。
食道がんは早期に発見できれば内視鏡で治療可能なことも多く、予後も良好です。
顔が赤くなる体質の方こそ、年に一度の内視鏡検査を習慣にすることが、将来のがん予防につながります。
ご案内
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)
