【医師監修】ピロリ菌は親から子へ感染する?家族での検査のすすめ
『自分がピロリ菌に感染していたけど、子どもは大丈夫?』
『親が胃がんになったけど、家族にも関係があるの?』
『家族みんなでピロリ菌検査を受けた方がいい?』
このような疑問や不安を抱えている方は少なくありません。
実はピロリ菌は、親子間を中心とした“家庭内感染”が主な感染ルートとされており、ご家族全体での検査・除菌が重要です。
この記事では、ピロリ菌の感染経路や家族内感染のリスク、検査の必要性と方法について専門医がわかりやすく解説します。
1. ピロリ菌とは?どんな菌なのか
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に生息する細菌で、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんの原因として知られています。
感染すると胃の粘膜が傷み、年齢とともに萎縮性胃炎や胃がんへ進行するリスクが高くなることがわかっています。
日本人の50代以上では約6〜7割が感染しているとされており、胃がんとの関連も極めて強いため、近年ではピロリ菌の検査と除菌が強く推奨されています。
2. 感染経路は「親から子」が主流?
ピロリ菌は主に乳幼児期(5歳以下)に家庭内で感染すると考えられています。
特に、親や祖父母などからの口移し、食べ物の共有、唾液を介した接触が原因となります。
感染のしやすさには家庭の衛生状態や水道環境なども関係していますが、親世代に感染がある場合、子どもも高い確率で感染していることがあるため、注意が必要です。
3. 親がピロリ陽性なら、家族検査をおすすめ
親や祖父母にピロリ菌の感染歴がある場合、次のような方は検査を強くおすすめします。
- お子さん(特に20代以下)
- 同居する家族全員
- 親族に胃がんの既往がある方
- 胃もたれ・腹部不快感がある方
- 健診などで胃の萎縮や異常を指摘された方
ピロリ菌は自覚症状がほとんどなく長期間にわたり感染が続くため、気づかないうちにリスクが進行していることがあります。
4. 検査方法と治療の流れ
ピロリ菌の検査にはいくつかの方法があります。
- 尿素呼気試験:息を吹くだけで感染がわかる簡便な検査
- 抗体検査(血液・尿):過去や現在の感染を判定
- 便中抗原検査:子どもや高齢者にも適した方法
- 内視鏡検査での組織検査:確定診断と胃の状態を同時に確認可能
感染が確認された場合は、内服薬による1週間の除菌治療を行います。
除菌率は90%以上で、副作用も少なく、胃がんのリスクを大きく下げることができます。
5. 当院のピロリ菌診療:家族での検査も対応可能です
金町よしだクリニックでは、ピロリ菌の検査から除菌治療、内視鏡フォローまで一貫して対応しています。
- 最新の胃カメラ機器により、胃の状態を詳細に観察
- 鎮静剤を使用し、痛み・苦しみの少ない内視鏡検査が可能
- 家族での同時検査・説明にも柔軟に対応
- 胃の萎縮やポリープなど、がんリスクの評価も同時に実施
ご家族皆さまで安心してご相談いただけるよう、丁寧な問診と説明、予防まで見据えた医療を提供しています。

6. 家族でピロリ菌の除菌を行うメリット
- 将来の胃がんリスクを家族全体で下げることができる
- 感染者が家族にいる場合の再感染リスクを抑える
- 家族全体での健康意識の向上
- お子さんの健康な胃を守ることができる
感染が見つかった場合、除菌療法も可能ですので、ご家族皆さまでの早めの相談をおすすめします。
まとめ:ピロリ菌は“家族で”考える時代へ
- ピロリ菌は、親から子への家庭内感染が多い
- 胃がんの予防には、感染の早期発見と除菌が重要
- 家族に感染者がいる場合は、全員の検査を推奨
- 当院では、無痛で精度の高い内視鏡検査と丁寧な除菌治療を提供
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)