【医師監修】便潜血陽性…大腸カメラを受けるべき理由とは?早期がん発見のカギは“見逃さないこと”
『健康診断の結果で便潜血陽性と書かれていたけど、どうすれば?』
『再検査って言われたけど、症状がないから大丈夫じゃない?』
『大腸カメラってつらそうで、なんとなく放置してしまっている…』
こうした不安や疑問を感じながら、再検査を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。
しかし、便潜血陽性という結果は、「大腸のどこかで出血している可能性がある」という重要なサインです。
この記事では、便潜血陽性の意味やリスク、そして大腸カメラを受けるべき理由を、消化器内視鏡専門医がわかりやすく解説します。
1. 便潜血陽性とは何か?
便潜血検査(便ヘモグロビン検査)は、便の中にごく微量の血液が混じっていないかを調べるものです。
この検査で陽性(+)が出たということは、目に見えないほどの出血が、消化管のどこかで起きているという可能性があります。
主な出血源として考えられるのは以下の通りです。
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 痔(出血の原因ではあるが、検査で区別はつかない)
- 大腸憩室症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)
痔が原因であることもありますが、検査結果だけでは判別できません。
見逃してはいけないのは、「がんやポリープによる出血」である可能性です。
2. 症状がなくても「がん」の可能性がある
便潜血検査で陽性だった方のうち、大腸カメラを受けた結果:
- 約3~5%に大腸がんが見つかる
- 約20~30%に大腸ポリープ(前がん病変)が見つかる
このような統計があります。
つまり、無症状であっても、便潜血陽性は「がんの芽が見つかる可能性がある」という貴重なチャンスです。
逆にここで検査を受けなければ、進行がんになるまで放置してしまう危険性もあります。
3. 痔がある人も、大腸カメラは受けるべき理由
『自分は痔持ちだから、出血の原因はそれでしょ』と思っている方も要注意です。
実際には、痔と大腸ポリープ・がんが同時に存在しているケースも珍しくありません。
便潜血検査はどこからの出血かを区別できないため、“痔があるから安心”という自己判断はとても危険です。
痔があっても、大腸カメラで肛門から大腸全体まで丁寧に観察すれば、出血源をはっきり確認できます。
4. 大腸カメラはつらい?当院では安心して受けられる体制を整えています
『大腸カメラって痛そう』『下剤がつらいって聞いた』という印象で不安になる方も多いでしょう。
当院では、患者さんが安心して検査を受けられるよう、以下のような体制を整えています。
- 鎮静剤を使用し、眠っている間に終わる無痛検査
- 二酸化炭素(CO2)送気で検査後のお腹の張りを軽減
- 前処置(下剤)の飲みやすさに配慮し、2種類の下剤から選択可能
- 女性の方には、女性スタッフによる対応やプライバシーへの配慮
「こんなに楽なら、もっと早く受ければよかった」と話される方も多くいらっしゃいます。

5. 便潜血陽性は“がんの前触れ”かもしれない。検査で安心を得るために
- 便潜血陽性は、がん・ポリープの重要なサインのひとつ
- 無症状でもがんやポリープが見つかるケースは非常に多い
- 痔があっても、がんの可能性を否定するには大腸カメラが必要
- 検査で何もなければ安心でき、あれば早期発見・早期治療につながる
便潜血陽性を指摘されたら、ぜひ一度大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
命を守る一歩を、今、踏み出してみませんか。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)