【医師監修】大腸カメラの後に腹痛・嘔吐・血便があったら?受診するべき症状の見分け方
『大腸カメラの後にお腹が痛い…これって普通?』
『少し血が混ざっているけど、大丈夫?』
『嘔吐してしまったけど、鎮静剤のせい?』
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の後は、多くの方が無事に帰宅されますが、
一部の方で軽い症状や違和感が出ることがあります。
この記事では、大腸カメラ後に見られる症状のうち「よくある正常範囲」と「受診が必要なサイン」を、医師の視点から解説します。
1. 大腸カメラのあとに起こりうる症状とは?
よくある軽い症状(通常は心配なし)
- 検査後数時間~半日ほどの軽い腹部の張りや違和感
- ごく少量の血混じりの便(特にポリープ切除後)
- 鎮静剤の影響による軽い眠気やだるさ
これらは体に無理なく起こる一時的な反応で、自然に改善することがほとんどです。
ただし、以下のような症状がある場合は、すぐに受診や医療機関への連絡が必要です。
2. 強い腹痛がある場合の受診目安
検査後にお腹の張りが軽く続くのはCO₂送気(二酸化炭素の送気)によるものとして一般的ですが、
次のような症状がある場合は注意が必要です。
【受診が必要な腹痛の目安】
- どんどん強くなる腹痛や、持続的な鋭い痛み
- 動けないほどの痛みや冷や汗を伴う腹部不快感
- お腹全体が硬くなる、押すと激しく痛む
これらは、穿孔(腸に穴が開く)や出血など、まれな合併症の可能性があるため、
すぐにクリニックまたは最寄りの救急病院へご連絡ください。
3. 嘔吐がある場合の注意点
検査中に使用した鎮静剤や、前処置の下剤が影響することがありますが、
以下の症状がある場合は医師の判断が必要です。
【受診の目安】
- 何度も繰り返し嘔吐する、飲んだ水も戻してしまう
- 強い吐き気が続いて食事や水分がとれない
- 吐いたものに血が混じっている
嘔吐と強い腹痛が同時にある場合は、腸閉塞や穿孔の初期サインである可能性もあります。
必ず医師へご連絡ください。
4. 血便・出血が見られた場合の対応
ポリープを切除した場合や、痔がある場合などでは、ごく少量の血が便に混じることはあります。
しかし、以下のような出血が見られたら注意が必要です。
【受診が必要な血便の目安】
- 便器が真っ赤に染まるほどの出血がある
- 出血が繰り返し続いている、または徐々に増えている
- 真っ黒な便(タール便:消化管からの出血を示す)になっている
特に、ふらつき・冷や汗・脈が速い・立ちくらみなどがある場合は、
急な大量出血の可能性があり、緊急対応が必要です。

5. こんなときはすぐに医療機関へ連絡を
以下に当てはまる場合は、迷わず当院または最寄りの医療機関へご連絡ください。
- 強い腹痛、出血、嘔吐が2時間以上続く
- 意識がぼんやりする、呼吸が苦しい、脈が速く冷や汗が出る
- 歩けない、座っていられないほどの体調不良
「様子を見ていたら悪化した」というケースは非常に危険です。
少しでも不安があれば、医療のプロに相談することが安心につながります。
6. まとめ:大腸カメラ後の不調は、「我慢しすぎず、早めに相談」が大切です
- 軽い腹部の張りや少量の出血はよくある反応
- ただし、強い腹痛・嘔吐・多量の血便はすぐに受診
- 不安なときは、迷わず医療機関に相談することが最善策
当院では、検査後の体調や症状についても丁寧にフォローし、
不安な方には電話相談や再診対応も行っています。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)