【医師監修】大腸ポリープを切除すると長生きできる?『クリーンコロン』で未来の大腸がんを防ぐ
『大腸ポリープががんになるって本当?』
『まだ症状もないのに検査する意味あるの?』
『ポリープを取ったら、それで終わり?』
これらは、多くの方が抱える大腸内視鏡検査(大腸カメラ)への疑問です。
しかし実は、ポリープの段階で見つけて切除することこそが「がんにならない身体をつくる」ための最善策なのです。
この記事では、大腸ポリープとがんの関係、そして長生きにつながる『クリーンコロン』の考え方について、専門医の立場から解説します。
1. 大腸ポリープは「前がん病変」
大腸ポリープの多くは腺腫(せんしゅ)という良性の腫瘍です。
腺腫は時間の経過とともに、細胞が変化してがん化する可能性があります。
実際、大腸がんの約80%は、腺腫からの進行がんと考えられています。
つまり、ポリープがあるうちに見つけて取り除くことで、大腸がんは予防できるのです。
2. 大腸がんは、無症状で進行する
大腸がんは初期では症状がほとんどなく、便潜血検査でも発見できないケースもあります。
- お腹が張る
- 血便が出る
- 便が細くなる
こうした症状が出たときには、すでに進行している場合が少なくありません。
一方で、大腸カメラ検査を受けてポリープの段階で切除すれば、将来のがんを未然に防ぐことができるのです。
3. ポリープ切除が「長生き」につながるエビデンス
アメリカの大規模研究(NEJM 2012)では、
内視鏡でポリープを切除した人は、大腸がんによる死亡リスクが53%も減少したという結果が出ています。
さらに、ポリープをきちんと切除して定期的なフォローアップを行えば、
一般人よりも大腸がんによる死亡リスクが低いというデータもあります。
これは、「がんになる前に、根本から取り除いた」ことの成果です。

4. 『クリーンコロン』という考え方とは?
「クリーンコロン(Clean Colon)」とは、大腸内にポリープがない、がんの芽がない状態を維持するという医療コンセプトです。
当院ではこの考え方をベースに、
- まず大腸カメラでポリープがあるか確認し
- あればその場で切除し(無痛・日帰り可能)
- 1年後、あるいは2〜3年後に再チェック
といった流れで、「がんを作らせない腸を維持すること」=人生の健康資産として守ることを大切にしています。
5. ポリープがなければ、安心が得られる
大腸カメラで異常なし=「クリアコロン」であることがわかれば、
『少なくとも今、がんになるリスクは非常に低い』という安心を得られます。
しかも、検査は鎮静剤を使用してウトウトしている間に終わるため、苦痛はほとんどなし。
最新の内視鏡機器と送水法・軸保持短縮法による痛くない挿入技術により、
女性でも高齢者でも安心して受けられます。
6. まとめ:ポリープの段階で取る、それががん予防であり長寿への第一歩
- 大腸がんの多くはポリープから発生する
- ポリープを切除することで、将来のがんを予防できる
- クリーンコロンを保つことで、大腸がんの死亡率を大幅に減らせる
- 一度の検査で命を守るきっかけになる
今、「症状がないから大丈夫」と思っている方こそ、一度の内視鏡検査が未来を変えるかもしれません。
当院では「大腸の中にポリープなどが何もないこと」を確認し、未来にがんをつくらないための医療をご提供します。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)