【医師監修】大腸内視鏡とCT検査の違いとは?精度・苦痛・費用を徹底比較
『大腸の検査をしたいけど、内視鏡とCTどっちがいい?』
『大腸カメラはつらそう…CT検査で代わりになる?』
『腸に不安があるけど、まずは楽な検査から受けたい』
こうした疑問をもつ方は少なくありません。
実際に、大腸疾患の診断には「大腸内視鏡検査」と「CT検査(CTコロノグラフィ)」の2つが候補になります。
この記事では、それぞれの検査の違いや特徴、どちらを選ぶべきかを医師がわかりやすく解説します。
1. 大腸内視鏡検査とは?
肛門からスコープを挿入し、大腸全体を直接観察する検査です。
ポリープやがん、炎症などの異常をリアルタイムで確認でき、必要に応じてその場で治療や生検も可能です。
- 正式名称:下部消化管内視鏡検査
- 対象:大腸全体(直腸~盲腸まで)
- 方法:鎮静剤を使って苦痛を抑えて行うことが多い
- 特徴:ポリープがあればその場で切除可能。診断と治療を同時に行える

2. CT検査(CTコロノグラフィ)とは?
大腸に炭酸ガスや空気を入れて拡張させた状態で、CT装置でスキャンする検査です。
画像処理で大腸の立体構造を再現し、病変を推定します。
- 正式名称:CTコロノグラフィ(バーチャル大腸内視鏡)
- 対象:大腸全体(視認できるのは6mm程度以上の病変)
- 方法:肛門からチューブでガスを注入し、CT撮影
- 特徴:大腸に挿入されるのは細いチューブのみで、比較的苦痛が少ない
3. 大腸内視鏡とCT検査の違いを比較
比較項目 | 大腸内視鏡検査 | CT検査(コロノグラフィ) |
---|---|---|
精度 | 高精度(5mm以下の病変も検出可能) | 6mm以上のポリープは検出できるが限界あり |
治療の可否 | その場でポリープ切除可能 | できない(別途内視鏡が必要) |
苦痛の程度 | 鎮静剤使用でほぼ無痛も可能 | 比較的軽度、ガス注入時に違和感あり |
前処置(下剤) | 必要(2L程度) | 必要(2L程度) |
放射線被曝 | なし | あり(低線量だが妊婦には注意) |
費用 | 保険適用 約6,000~20,000円 | 保険適用外または施設により異なる |
診断精度 | ◎ | △(小さな病変や平坦病変に弱い) |
4. 結局どちらを選ぶべき?
正確な診断と治療を同時に行いたいなら「大腸内視鏡」がおすすめです。
特に次のような方には、最初から内視鏡検査が望ましいです。
- 便潜血検査で陽性だった方
- 血便や下痢・便秘などの症状が続いている方
- 大腸がんやポリープの家族歴がある方
- 以前ポリープを切除したことがある方
- 40歳以上で一度も内視鏡検査を受けたことがない方
CT検査は、「まずは簡易的に調べたい」「体力的に内視鏡が難しい」といった場合に選択されることがありますが、異常が見つかれば結局内視鏡が必要になることが多く、二度手間になる可能性もあります。
5. 当院の大腸内視鏡検査は苦痛の少ない“無痛仕様”
金町よしだクリニックでは、大腸内視鏡検査をより楽に、安心して受けていただけるような工夫をしています。
- 鎮静剤を使用し、眠っている間に検査終了
- CO2送気を採用し、お腹の張りがすぐに引く
- 痛くない挿入法(軸保持短縮法・送水法のハイブリッド方式)を採用
- 専門医による精度の高い検査
- 検査中はバイタルモニターで常時安全管理
また、ポリープが見つかれば日帰りでその場で切除が可能です。
「検査」と「治療」が1回で完結する点が、大きなメリットです。
まとめ:正確な診断・治療を目指すなら内視鏡検査を
- 大腸内視鏡は、CTよりも精度が高く、治療も同時に行える
- 苦痛が不安な方も、無痛・日帰りで安心して受けられる
- 1回で診断・治療が完結するのが最大の利点
大腸がんは早期発見・早期治療でほぼ完治が可能な病気です。
精度の高い大腸内視鏡検査を、ぜひ前向きにご検討ください。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)