【医師監修】妊娠中でも胃カメラ検査は可能?安全性と注意点

『妊娠中だけど、胃の痛みや吐き気がつらい…』
『胃カメラって妊婦でも受けていいの?赤ちゃんに影響は?』
そう悩む妊婦さんは少なくありません。

妊娠中は体調変化が大きく、消化器症状も出やすい時期です。この記事では、妊娠中に胃カメラ検査が必要なケースと、安全に受けるためのポイントを専門医の視点からわかりやすく解説します。


1. 妊娠中に胃カメラ検査は行われる?

基本的に、妊娠中に胃カメラ検査を行うことはほとんどありません

妊娠中は様々な症状が出やすいです。

  • 繰り返す胃痛や胸やけ
  • 食欲不振や体重減少 もしくは 食欲亢進や体重増加
  • 強い吐き気や嘔吐(妊娠悪阻などによる)

ほとんどの場合には、妊娠そのものが原因であり、心配ないことが多いです。
妊娠中の胃カメラは、妊婦・胎児へのリスクが高く、通常は行いません。


2. 妊婦に胃カメラは絶対にやらないの?

妊婦への胃カメラは限定的な状況において行われることがあります。

  • 黒色の便がでた(胃からの出血の可能性)
  • とても強い腹痛が持続している
  • 胎児へ影響があるぐらいの強い食思不振

などです。
上記の症状があるからと言って、すぐに胃カメラを行うことは少なく、診察や検査の結果を踏まえて慎重に検討されます。

2-1. 妊婦に鎮静剤は使用しないことが多い

通常の胃カメラ検査では、鎮静剤(静脈麻酔)を使ってウトウトした状態で行うことが多いですが、
妊娠中は基本的に鎮静剤の使用を控えるのが一般的です。
薬が胎児に影響を与える可能性があるため、医師が慎重に判断します。

鎮静剤がないと、苦痛も強くなりやすいです。

2-2. どうしても行う時は変化に対処しやすい大病院で

妊婦に胃カメラを行う場合には、リスクと利益を比較して、利益が大きく上回る場合に行われます。
その際には、基本的に町のクリニックではなく大きな病院で行われることが多いです。

大きな病院で複数の医師が安全を判断し、万が一に備えて体制を整えます。


3. 妊娠中の胃カメラ検査で気をつけるべきこと

妊婦が胃カメラを受ける際は、以下のような注意点があります。

  • 妊娠12週以降〜妊娠中期(安定期)が安全とされるタイミング
  • 検査前の絶食は通常と同じく6時間前から
  • 胃の収縮や胎児への影響を最小限にするため、医師・看護師による慎重なモニタリングが必要

当院では、妊娠中の胃カメラ検査に関しては行っておりません


4. 妊娠中でも検査が必要になることがある

妊婦だからこそ、母体の安全を守るために必要な検査は、慎重かつ正確に行うことが大切です。

妊娠中の内視鏡検査はクリニックでは行えないことが多いため、症状が強い場合にはかかりつけの産婦人科の医師から大きな病院の消化器内科へ紹介を受けて下さい。


ご案内

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)