【医師監修】胃のポリープがあると言われたら読む記事|放置していい?切除すべき?胃カメラでの経過観察とは

『健診で胃にポリープがあると言われたけれど…がんなの?』
『すぐに切らないといけないの?』
『胃カメラをまた受ける必要があるの?』

そんな不安を抱えた方に向けて、胃のポリープの種類や治療方針、検査の重要性についてわかりやすく解説します。


1. 胃のポリープは「全部がん」ではありません

胃のポリープと聞くと「がんかもしれない」と不安になる方が多いですが、
実際には多くが良性で、経過観察のみでよい場合がほとんどです。

胃のポリープは大きく分けて次の3種類があります。

1-1. 過形成性ポリープ

  • 最も多く見られる良性ポリープ
  • 胃炎が原因でできやすい
  • 小さくて出血のリスクがなければ基本的に切除不要
  • ピロリ菌除菌で自然に消えることもあります

1-2. 胃底腺ポリープ

  • 胃の上部(胃底部)にできる小さなポリープ
  • 一般的にはがん化しないため、放置して問題ありません
  • 長期間服用している薬(PPI:胃酸を抑える薬)が関係していることも

1-3. 腺腫性ポリープ

  • 稀ですが**がんの前段階(前がん病変)**となることがあります
  • 内視鏡で見た目に特徴があり、組織検査で確認が必要
  • 大きさや形状により、その場で切除する場合も

2. なぜ胃カメラが必要なのか?診断の決め手になる検査

バリウム検査や健診の触診などでは、ポリープの正体までは判断できません。
確定診断には**胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)**が不可欠です。

  • ポリープの大きさ、形、色、血管の模様を直接確認
  • 必要に応じて**組織検査(生検)**を実施し、がんかどうかを調べる
  • 出血しやすいポリープや、悪性の疑いがあるものは組織の結果によっては切除を行う

『ポリープがある=すぐに手術』ということではありませんが、
「良性かどうかを見極める」ために、まずは内視鏡での精密検査が必要です。


3. 当院の胃カメラは「無痛」「丁寧」「日帰り」で安心

『内視鏡はつらい』というイメージで受診をためらう方も多いですが、
当院では、できる限り負担を少なくした無痛内視鏡検査を行っています。

  • 鎮静剤を使用し、眠っている間に検査が終了
  • 検査中はバイタルモニターで呼吸・血圧を常時チェック
  • 専門医が、丁寧に病変を観察し、必要に応じて生検・切除
  • 終了後はリカバリールームで休んでからそのまま帰宅できます

胃カメラに苦手意識がある方も、安心して受けられる体制を整えています。


4. 一部のポリープがある人にピロリ菌検査は必須

ポリープのうち、「過形成性ポリープ」はピロリ菌感染と深く関係しています。
除菌治療を行うことで、ポリープが縮小・消失することもあります。

ピロリ菌の有無を調べる検査は、胃カメラ中に採取した組織や呼気検査などで実施可能です。
感染が確認されれば、保険診療で除菌治療を行えます。


5. 「様子を見る」も定期的なチェックが前提

良性と判断されたポリープも、放置してよいという意味ではありません。

  • 年1回程度の胃カメラで経過を観察
  • サイズが変わっていないか、形が変わっていないかをチェック
  • 出血・痛み・胃の不調があれば早めに再検査

「安心」を得るには、定期的な検査が何よりの予防策です。


ご案内

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)