【医師監修】胃カメラで異常がなかったのに症状があるのはなぜ?専門医が解説します

『胃カメラを受けたのに「異常なし」と言われた…でも胃の不快感は消えない』
『検査結果は正常だったのに、胃もたれや胸焼けが続いている』
『「気のせい」と言われてしまったけど、本当に大丈夫?』

このように、胃カメラ検査で異常がないにも関わらず、症状が続いている方は少なくありません。
決して「気のせい」ではなく、胃カメラでは映らない疾患や機能的な異常が原因のこともあるのです。

この記事では、胃カメラの検査の限界や見落としやすい原因、必要な対処法について、専門医がわかりやすく解説します。


1. 胃カメラでわかること・わからないこと

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できる非常に有用な検査です。

【胃カメラで診断できる代表的な疾患】

  • 逆流性食道炎
  • 慢性胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • ピロリ菌感染
  • 胃がん・食道がん・ポリープ

しかし、胃カメラはあくまで「構造(形)に異常があるか」を確認する検査です。
つまり、粘膜に明らかな傷や腫瘍がなければ、「異常なし」と判定されることになります。


2. 構造的に異常がなくても症状が出る「機能性ディスペプシア」

胃カメラでは異常が見つからないのに、胃の不快感・もたれ・食欲不振・胃痛などの症状が続く場合、「機能性ディスペプシア(FD)」という疾患が考えられます。

これは、胃の動きや知覚の異常によって症状が出る病気であり、近年非常に増えている病態です。

【機能性ディスペプシアの主な症状】

  • 食後すぐにお腹がいっぱいになる
  • 少量で苦しくなる
  • 胃の上の方が痛む・焼ける
  • 空腹時や緊張時に胃が不快になる

この疾患は、ストレスや生活習慣、腸内環境、ホルモンバランスなどが複雑に関与しているため、検査画像ではわかりません。


3. 胃以外の原因で症状が出ている場合も

胃の症状だと思っていても、実際は胃以外が原因のこともあります。

【よくある“胃以外の原因”】

  • 胆のう疾患(胆石、胆のう炎):みぞおちの痛みや吐き気を伴う
  • 膵炎:胃痛に似た痛みが背中まで響く
  • 食道アカラシア・機能性食道障害:飲み込みづらさや胸の詰まり感
  • 心因性(ストレス、うつ、パニック障害):胃に症状が集中しやすい
  • 心臓疾患(狭心症など):みぞおちや上腹部の痛みとして出ることも

このように、「胃が原因だと思っていたら別の臓器だった」というケースも珍しくありません。


4. 症状があるなら、継続的なフォローが大切

「異常なし」であっても、症状が改善しない場合は「様子を見る」のではなく、積極的に原因を追求することが大切です。

  • 機能性ディスペプシアを含む病態の治療
  • ピロリ菌検査が未実施なら追加検査
  • 必要に応じて、腹部エコーや血液検査、CT検査で他臓器の評価
  • 食生活や睡眠、ストレスへのアプローチ

当院では、検査後も症状に合わせたきめ細やかな治療を重視しています。
単に「異常なし」と伝えて終わりではなく、つらさの背景まで丁寧に考える診療を行います。


5. 当院の内視鏡検査と診療の特長

金町よしだクリニックでは、最新の内視鏡機器を使った精密な観察に加え、無痛で安全な検査環境を整えています。

  • 鎮静剤使用によるほぼ無痛の胃カメラ検査
  • 専門医による的確な所見評価と必要な追加検査の判断
  • 検査後の症状相談や生活指導まで丁寧に対応
  • 胃以外の可能性にも広く目を向けた総合診療的なアプローチ

『検査をしたのに解決しない』という不安も、ぜひご相談ください。


まとめ:異常なし=問題なし、とは限りません

  • 胃カメラで異常がないのに症状があるのは「機能的な問題」や「胃以外の病気」が原因の可能性がある
  • 精密な検査とあわせて、症状に向き合った診療が大切
  • 「異常なし」で不安が残る場合は、再度相談・継続的なフォローを受けましょう

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)