【医師監修】若さ故の落とし穴?20代・30代で増える大腸がんの兆候と検査法

『大腸がんって、もっと年齢が上がってからの病気じゃないの?』
そう思っている方は、今すぐ考えを改める必要があります。

実は今、20代・30代で大腸がんと診断されるケースが増えているのです。
この年代特有の生活習慣やストレス、見逃されがちな症状が背景にあります。

本記事では、若年層に多い大腸がんの兆候・原因、そして早期発見につながる検査法について解説します。


1. 20代・30代で大腸がん?その現実とは

かつては中高年の病気とされていた大腸がんですが、近年では発症年齢の低下が報告されています。
実際に、院長は大腸カメラで29歳の方の進行大腸がんを見つけたことがあります。

若年層における大腸がんの特徴は以下の通りです。

  • 進行が速いことがある
  • 血便などの症状があっても検査を受けにくいため発見が遅れる
  • 『痔だと思っていた』というケースが多い
  • 家族歴や遺伝性疾患が背景にあることも

自覚症状が軽度なために見過ごされ、気づいた時にはステージが進んでいたという例もあります。


2. 若い世代に見られる大腸がんの兆候

以下のような症状が続いている場合は、年齢に関係なく大腸カメラによる検査が推奨されます。

  • 便に血が混じる
  • 便が細くなった
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 腹痛が断続的に続く
  • 腹部の張りや違和感
  • 痔だと思っていた出血が長引く

これらの症状は痔や過敏性腸症候群と誤解されやすく、特に若年層では受診が遅れがちです。


3. 若年層のリスクを高める生活習慣

20代・30代のライフスタイルは、大腸がんのリスクを高める要因を多く含んでいます。

  • 加工食品・肉中心の食生活
  • 野菜・食物繊維不足
  • 慢性的な便秘や下痢
  • 睡眠不足やストレス
  • 運動不足・長時間の座り仕事
  • 飲酒・喫煙

こうした要因が重なると、若くてもポリープや腫瘍が形成される土台となってしまいます。


4. 若いからこそ受けてほしい、大腸カメラ検査

大腸がんの早期発見・予防には大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が有効です。
当院では、20〜30代の方でも安心して受けられるよう、次のような体制を整えています。

4-1 鎮静剤+バイタルモニター管理

検査中は鎮静剤を使用し、ウトウト眠っている間に終了
呼吸や脈拍などはモニターで常時管理し、安全性も確保しています。

4-2 ハイブリッド挿入法(軸保持短縮法+送水法)

苦痛を軽減するための挿入技術で、痛みや不快感を最小限に抑えた検査が可能です。

4-3 CO₂送気による快適な検査後

検査中に送気するガスは、**空気よりも吸収が早いCO₂(二酸化炭素)**を使用。
検査後のお腹の張りがすぐに解消され、翌日まで不快感が続くこともありません。


5. ポリープはその場で切除、将来のがん予防に

大腸カメラでポリープが見つかった場合、その場で切除が可能です。
これにより、将来の大腸がんを未然に防げる可能性が高まります。

ポリープ切除は保険適用で行えるため、経済的負担も大きくありません。


6. 『まだ若いから』ではなく、『若いうちに』

がんの早期発見には、症状が軽いうち・何もないうちに行動することが最も重要です。
『若いから安心』ではなく、『若いうちに検査を受けておく』という意識が、
将来の命を守る大きな分かれ道になります。


まとめ:20代・30代でも、大腸がんは他人事ではない

  • 若年層での大腸がんが増加傾向
  • 軽い症状でも検査が必要なケースあり
  • ライフスタイルの見直し+定期的な検査がカギ
  • 無痛・安心の内視鏡検査なら、若い方でも受けやすい

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)