【医師監修】若者の便秘・下痢対策:大腸カメラ検査までにできること
『最近、便秘や下痢がずっと続いている…』
『若いのに大腸カメラなんて大げさかな?』
そう感じている20〜40代の方は、決して少なくありません。
しかし、慢性的な便通異常が続く場合、見えない病気が潜んでいることもあります。
この記事では、大腸カメラを検討する前にできる便秘・下痢対策と、検査が必要となる見極めのポイントを、消化器病専門医の立場から丁寧に解説します。
1. 便秘や下痢は「若いからこそ」見逃されやすい
便秘や下痢は、若い人ほど『体質のせい』『生活リズムが乱れているから』と考えて、医療機関の受診を後回しにしがちです。
しかし、以下のようなケースでは、軽視できない病気の可能性もあります。
- 便秘と下痢を繰り返す
- 急に便通が変化した
- 食後すぐに腹痛や便意がある
- トイレに行っても残便感がある
- お腹が常に張っている
このような症状が数週間以上続く場合は、大腸の粘膜異常や炎症、ポリープ、機能性疾患などの精査が必要になることがあります。
2. 大腸カメラを検討する前に見直したい生活習慣
検査を受ける前に、まずは基本的な生活習慣を見直すことが重要です。
特に若年層では、生活環境の変化が便通異常の原因になっていることも多く見られます。
2-1 食生活の改善
- 食物繊維:野菜、海藻、豆類、果物を意識して摂る
- 水分摂取:1日1.5〜2Lの水を目安に
- 食事時間:朝食は抜かない、夜食は控える
- 腸にやさしい食品:発酵食品(ヨーグルト・納豆)などを継続して摂取
2-2 ストレスと自律神経のケア
- 過度な緊張・ストレスは腸の動きを乱します
- 睡眠不足や過労、休日の生活リズムの崩れも要因に
- 意識的に深呼吸・ウォーキング・趣味の時間を取り入れてリラックスを
2-3 排便習慣を整える
- 朝食後のトイレタイムを習慣に
- トイレを我慢しない
- スマホや読書をしながら排便しない(集中を妨げます)
- トイレに5分以上こもらない(肛門に負担をかけます)
これらを試しても症状が続く場合、機能性疾患や器質的な異常が関与している可能性が高く、大腸カメラでの精密検査が勧められます。
3. 若年層でも要注意な病気とは?
当院でも、20〜40代の患者様に以下のような疾患が見つかることがあります。
- 過敏性腸症候群(IBS):ストレスによる腸の過剰反応
- 潰瘍性大腸炎:若年層に多い炎症性腸疾患。長期放置で重症化のリスクあり
- 大腸ポリープ:若年でも見つかるケースがある(中には前がん病変も)
- 感染性腸炎の後遺症:急性下痢の後に慢性化することも
- 進行性大腸がん:非常にまれですが、院長は20代の方で進行がんが見つかったケースを経験しています
症状が長引く、または悪化傾向がある場合は、若くても「念のため」の大腸カメラが必要です。

4. 大腸カメラは恥ずかしくない、怖くない
『若いからこそ恥ずかしい』『痛そうで不安』という方も多いかもしれません。
当院では、鎮静剤を用いた無痛大腸カメラを導入しています。
- 眠っている間に検査が終了
- 女性も安心できる配慮(女性看護師のサポート、プライバシー重視)
- 内視鏡挿入は軸保持短縮法+送水法のハイブリッド手法を採用し、痛みを最小限に
- CO₂送気を使うことで、検査後のお腹の張りもすぐに解消されます
検査は日帰りで可能。朝からの検査枠を利用すれば、午後には日常生活へ戻れます。
5. 『まだ若いから』ではなく、『今のうちに知っておく』という選択
若いからこそ、今の腸の状態を把握し、未来の健康に備えることが大切です。
- 慢性的な便秘や下痢に悩まされている
- 食事や運動を工夫しても改善しない
- 市販薬を何度も使っているが効果がない
- 家族に大腸がんや炎症性腸疾患の既往がある
これらに当てはまる方は、「念のため」の大腸カメラをおすすめします。
まとめ:若者の便通異常は「体からのサイン」です
- 若い人でも便通異常が続く場合は注意が必要
- 生活習慣の見直しと並行して、症状の経過を記録しておく
- 改善しないときは、大腸カメラで根本から原因を調べることが安心への近道
- 当院では、痛みが少なく、安心・安全な無痛大腸カメラを提供しています
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)
