【医師監修】麻酔・鎮静剤は危険じゃない?内視鏡検査中もバイタルモニターで管理が必要な理由
『内視鏡の鎮静剤って、意識がなくなるのが怖い』
『副作用や事故のリスクはないの?』
『年齢的に鎮静剤を使っても大丈夫?』
大腸カメラや胃カメラを検討している多くの方が、「麻酔・鎮静剤=リスクがあるのでは」と不安を感じています。
しかし、当院では安全性を徹底的に確保しながら、患者さんに快適な検査を提供しています。
この記事では、麻酔・鎮静剤の役割と安全性、そして当院の管理体制についてわかりやすく解説します。
1. 麻酔・鎮静剤は必要?なぜ使うのか
内視鏡検査では、以下のような不安や不快感がよく見られます。
- 喉や肛門からの異物感
- 腸が膨らむことによる張りや痛み
- 恥ずかしさや恐怖心
これらの負担を軽くするために、静脈から鎮静剤(眠くなる薬)を注射することで、ウトウトと眠ったような状態で検査を受けられるのが「鎮静下内視鏡」です。
目が覚めた後は
『もう終わったんですか?』
という患者さんがほとんどで、不安なく、楽に受けられたという声が多数です。
2. 鎮静剤に副作用はある?
鎮静剤にも薬剤である以上、以下のような副作用の可能性はあります。
- 呼吸が浅くなる(呼吸抑制)
- 血圧の低下
- アレルギー反応(極めて稀)
ただし、これらは適切な薬剤選択・用量の調整、そして観察体制があれば、ほとんど防ぐことが可能です。
大切なのは、しっかりとした医療管理のもとで使用することです。
3. 当院ではバイタルモニターで常時チェックしています
当院では、鎮静剤を使用するすべての内視鏡検査で、
バイタルモニター(生体情報モニター)を使い、患者さんの状態をリアルタイムで監視しています。
常時監視している項目
- 呼吸数
- 心拍数
- 酸素飽和度(SpO₂)
- 血圧
これにより、わずかな変化も見逃さず、鎮静の深さを安全に調整できます。
万が一の際も、医師と看護師がすぐに対応できる体制を整えています。
4. 高齢者でも麻酔・鎮静剤は使える?
『年齢が高いけど、麻酔・鎮静剤を使っても大丈夫?』
というご相談もよくあります。
もちろん、高齢者には年齢・体格・既往歴に応じた慎重な投与を行います。
必要であれば、鎮静剤を使わずに検査する選択肢もあります。
しかし、実際には高齢の方こそ、苦痛を減らして安全に検査を受けるために麻酔・鎮静下が有効な場合も多いのです。
当院では、事前にしっかりと説明・相談の上、最適な方法をご提案しています。

5. 麻酔・鎮静剤を使うことで、内視鏡の精度も向上します
患者さんが緊張していると、腸が動いてしまったり、力が入ってスムーズに観察できないことがあります。
麻酔・鎮静剤によってリラックスした状態になると、
- 腸の動きが抑えられて視野が安定する
- 細かいポリープや早期がんの見落としが減る
- 医師も丁寧に時間をかけた観察が可能になる
といったメリットもあり、検査の精度と安全性の両方が高まるのです。
6. まとめ:麻酔・鎮静剤は危険ではありません。
バイタルサインの管理と観察があるからこそ安心です
- 麻酔・鎮静剤は、内視鏡検査を楽に、安心して受けるための大切な手段です
- 副作用の可能性はありますが、バイタルモニターで常時チェックし、安全に調整しています
- 当院では、医師と看護師が常に状態を確認しながら検査を進めています
- 高齢の方や基礎疾患のある方でも、個別に調整して安全な検査が可能です
『麻酔・鎮静剤が怖い』と思って受診をためらう方がいらっしゃいますが、
正しく使えば、安全で快適に検査を受けられる選択肢です。
どうぞ安心してご相談ください。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)