【医師監修】大腸カメラ前の検査食とは?当院が推奨する低残渣食とその理由
『大腸カメラの前日って何を食べたらいい?』
『検査食って必要なの?』
『便秘気味だけど、ちゃんと腸がきれいになるか不安』
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の正確性を左右するのが、前日の食事内容と腸内の状態です。
最近では「検査食」という専用の食事も販売されていますが、当院では検査食の使用は必須としていません。
その代わり、便秘傾向のある方や腸内の残渣が気になる方には「低残渣食(ていざんさしょく)」をおすすめしています。
この記事では、なぜ検査食を使わないのか、検査前に食べてよい・避けるべき食品、低残渣食の具体例を医師の視点で解説します。
1. 当院では検査食の使用は基本的に推奨していません
市販されている検査食は、検査前日の食事として利用できるよう設計された「低残渣食」で、確かに便利ではあります。
しかし、当院では以下の理由から、検査食を必須とせず、普段の食事を工夫してもらうスタイルをとっています。
- 特別な食事にするよりも、普段の延長線で食事管理したほうが継続しやすい
- 市販の検査食に含まれる塩分や添加物が気になる方もいる
- 生活指導の一環として、日常的な腸への意識を高めることを目的としている
特に、便秘傾向のある方・普段から野菜や繊維質の多い食事をしている方には、2日前から低残渣食への切り替えを提案しています。
2. 低残渣食とは?腸に残りにくく消化の良い食事
「低残渣食(ていざんさしょく)」とは、腸内に食物繊維やカス(残渣)が残りにくい食事を指します。
これを検査前日に取り入れることで、腸内をきれいにしやすくし、下剤の効果を最大限に引き出すことができます。
低残渣食の基本的な特徴:
- 繊維が少なく、消化の良い食材を使う
- 揚げ物・油物・アルコールは避ける
- 野菜・果物・海藻・キノコ類は控える
- 色の濃い食材(ゴマ、ひじき、雑穀米など)も避ける
3. 検査前日に食べてよいもの・避けるべきもの
食べてよいもの(おすすめ低残渣メニュー):
- 白米・うどん・そうめん・白いパン(バターなし)
- 卵(ゆで卵・茶碗蒸し・玉子がゆ)
- 鶏ささみ・白身魚(塩ゆでや蒸し焼きなど)
- 豆腐・高野豆腐(油抜きしたもの)
- ポタージュ・味噌汁(具なし)
- プレーンヨーグルト(無糖)
避けるべきもの:
- 野菜全般(特に根菜類、葉野菜、キノコ、海藻)
- 玄米・雑穀米・全粒粉パン
- ナッツ・種子類・ゴマ
- 果物(バナナ、柑橘類含む)
- 揚げ物・脂っこい料理
- 牛乳・アルコール・ジュース類
4. 普段から便秘気味の方は、前々日から意識を
腸内に残渣が多いと、下剤が十分に効かず、検査時に視野が不良となってしまう可能性があります。
特に、
- 便秘傾向がある
- 普段から繊維質が多い食事をしている
- お腹が張りやすい
- 大腸カメラが初めてで不安
- お腹の手術歴がある
という方は、検査の2日前から低残渣食を意識して食事を整えることで、当日の準備がスムーズにいきやすくなります。
5. 食事だけでなく、水分もしっかりとることが大切
大腸カメラ前は、便を柔らかくし、下剤の効果を高めるために水分摂取が重要です。
前日・前々日から、お茶・水・薄めのスポーツドリンクなどで積極的に水分を補いましょう。
※検査当日は、指定された時間以降の飲食は一切禁止になります。指示された時間を守ってください。
6. 不安があれば、事前にご相談ください
食事の内容や準備方法は、体質や便通の状況によって個人差があります。
ご自身に合った方法を知ることが、正確な検査とスムーズな準備につながります。
当院では、事前の説明時に食事内容のアドバイスも個別に行っております。
また、必要に応じて検査食の使用も可能ですので、お気軽にご相談ください。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)