【医師監修】大腸憩室症とは?出血リスクと内視鏡による対応をわかりやすく解説

『大腸に小さな袋状のものがあるって聞いたけど、これは病気なの?』
『大腸憩室症って、出血のリスクがあるの?』
『内視鏡検査でどのように対応するの?』

大腸憩室症は、大腸の壁に小さな袋状のくぼみ(憩室)が形成される疾患です。
多くは無症状で経過しますが、一部の患者さんでは急激な出血や炎症(憩室炎)を引き起こす危険性があります。

この記事では、大腸憩室症の基本的な概要、出血リスク、内視鏡検査での診断と対応方法について、専門医が丁寧に解説します。


1. 大腸憩室症とは?

大腸憩室症は、主に以下の特徴を持つ疾患です。

  • 大腸の壁にできる小さなくぼみ
    脆弱になった腸壁が内圧により突出し、袋状に形成されます。
  • 高齢者に多いが、中年層でも発生
    加齢、食生活、便秘などが要因と考えられます。
  • ほとんどの場合は無症状ですが、時に合併症として出血や憩室炎を引き起こします。

2. 大腸憩室症の出血リスクとその影響

大腸憩室症の最も懸念される合併症のひとつが、憩室出血です。

  • 出血の特徴
    急激に大量の鮮血が排出され、便器やトイレが血で染まることがあります。
  • 原因
    憩室内の血管が破裂することにより出血が発生します。
  • 症状
    血便(鮮やかな赤色)が見られる場合、めまいや貧血症状が現れることもあり、迅速な対応が必要です。

憩室出血は多くの場合、内視鏡的止血治療で対応可能ですが、再出血のリスクもあるため、定期的なフォローアップが重要です。


3. 内視鏡検査による診断と対応の流れ

内視鏡検査(大腸カメラ)は、大腸の憩室を直接観察でき、出血の有無や他の病変も確認するのに非常に有効です。

3-1. 検査前の準備

  • 食事制限と下剤の服用
    検査前日には、便が残らないように「低残渣食」に切り替え、下剤を用いて腸内をきれいにします。
  • 水分摂取の管理
    脱水や体調不良を避けるため、適切な水分補給も大切です。

3-2. 内視鏡検査での診断

  • 内視鏡で大腸全体の粘膜状態を確認し、憩室の存在や出血源、その他の異常を精密に評価します。
  • 憩室出血が認められた場合出血部位の特定と同時に内視鏡的止血処置(例:クリップ止血など)が行われます。

3-3. 憩室出血に対する内視鏡治療の後のフォロー

  • 検査後の経過観察
    内視鏡治療後は、出血の再発やその他の合併症の有無を確認するため、一定期間のフォローアップが推奨されます。
  • 生活習慣の改善指導
    便秘の改善や、適切な食事指導も行い、再出血のリスクを低減させる取り組みが重要です。

4. 当院の内視鏡検査と治療体制

金町よしだクリニックでは、最新の内視鏡機器と技術を用いて、痛みが少なく安全な検査・治療を実施しています。

  • 無痛内視鏡検査
    鎮静剤を使用し、患者さんが快適な状態で検査を受けられるよう配慮しています。
  • CO₂送気・送水法+軸保持短縮法
    お腹の張りを軽減し、検査中の痛みを最小限に抑えます。
  • バイタルモニターによる安全管理
    常に患者さんの状態を監視し、万が一の際には迅速に対応します。
  • 内視鏡的止血治療
    憩室出血が確認された場合、適切な止血処置を行い、再出血リスクを下げます。

5. ほとんどの場合は、憩室は問題ないことが多い

大腸憩室症自体は多くの場合無症状ですが、出血や炎症、さらには合併症が発生すると大きな健康被害につながります。
憩室が多発するほど、出血や炎症のリスクが高まります。
憩室の有無を大腸カメラで見ておくことが、出血や炎症の際にすぐに正しい診断をする根拠となることもあります。

心配はあまり必要ありませんが、数が多くなっていないか定期的に大腸カメラで調べることが重要です。


まとめ:大腸憩室症は出血リスクを含む合併症の可能性があるため、

内視鏡検査による早期診断と治療が非常に重要です。
当院では安全かつ快適な検査・治療環境を提供しており、症状のある方はぜひ一度ご相談ください。


最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)