【医師監修】睡眠時無呼吸による高血圧…早期発見で命を守る
高血圧と診断され、生活改善や薬を続けていても「なかなか血圧が下がらない」と感じていませんか?
もしかすると、その原因は**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**かもしれません。
いびきや日中の眠気といった「睡眠の質の低下」が、高血圧や心疾患、脳卒中など命に関わる病気を引き起こすことがあるのです。
この記事では、睡眠時無呼吸と高血圧の関係、気をつけたい症状、早期発見の重要性について解説し、受診の目安も紹介します。
1. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気です。
1-1. 無呼吸が起こるメカニズム
- 空気の通り道(上気道)が狭くなる
- 舌が喉に落ち込むことで気道が塞がれる
- その結果、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」が繰り返される
この状態が1時間に5回以上起きると「SAS」と診断されます。
1-2. 主な症状
- 大きないびき
- 夜中の息苦しさ、覚醒
- 起床時の頭痛
- 強い日中の眠気
- 集中力の低下
これらがある場合、無呼吸による身体への負担が疑われます。
2. 睡眠時無呼吸と高血圧の深い関係
2-1. 無呼吸が血圧を上昇させる理由
無呼吸のたびに体は「酸素が足りない!」と判断し、交感神経が過剰に働いてしまいます。
これが繰り返されることで、血管が収縮し、慢性的な高血圧状態へとつながります。
2-2. 高血圧の薬が効きにくくなる?
実は、睡眠時無呼吸を抱えていると、通常の高血圧治療(降圧剤)だけではコントロールが不十分になることが多いのです。
特に以下のような方は要注意です。
- 早朝や夜間に血圧が高い
- 3剤以上の降圧薬を使っても下がらない(難治性高血圧)
- 40代以上で肥満体型
- いびきがある+昼間に眠気が強い
3. 放置が命取りに?合併症のリスクとは
3-1. 睡眠中の血圧変動は危険信号
正常な人は、夜間に血圧が10〜20%下がる「ディップ現象」がありますが、
SASがあると血圧が下がらず、むしろ上がることも。
これが続くと以下の疾患リスクが高まります。
- 脳卒中
- 心筋梗塞
- 心不全
- 不整脈
- 慢性腎臓病
3-2. SASは生活習慣病の温床に
睡眠時無呼吸は、高血圧だけでなく、
- 2型糖尿病
- 脂質異常症
- 肥満
- 認知機能の低下
など、多くの生活習慣病とも強く関連しています。
つまり「いびき=睡眠の問題」ではなく、「全身の病気の引き金」といえるのです。
4. どうやって調べるの?自宅でできる睡眠検査
4-1. 自宅で簡単にできるSASスクリーニング
当院では、専用の携帯型機器を貸し出し、自宅で睡眠時の呼吸状態を調べることが可能です。
測定できるのは、
- 無呼吸・低呼吸の回数(AHI)
- 酸素飽和度(SpO₂)
- 心拍数や呼吸のリズム
これらの数値から、睡眠時無呼吸の重症度や治療の必要性がわかります。
4-2. AHIの目安
- AHI 5〜15未満:軽症
- AHI 15〜30未満:中等症
- AHI 30以上:重症
AHI15以上の中等症から、保険適用での治療(CPAPなど)が可能です。
5. 治療法:高血圧の改善にもつながる
5-1. CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
中等症以上の方には、CPAP(シーパップ)という機械を使った治療を行います。
この治療は、睡眠中に空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ非常に効果的な方法です。
CPAPを継続すると、
- 睡眠の質が改善
- 日中の眠気が軽減
- 血圧の安定
- 心血管イベントのリスク低下
などが確認されています。
5-2. 軽症の方にはマウスピースも有効
軽症〜中等症の一部の方には、**スリープスプリント(マウスピース)**による治療も可能です。
詳しくは医師の診察で適応を判断します。
6. 高血圧+いびきのある方は早めの受診を
次のような方は、睡眠時無呼吸による高血圧の可能性があります。
- 家族からいびきを指摘された
- 血圧が高めで薬が効きにくい
- 朝の頭痛や強い眠気がある
- 太り気味で首回りが太い
- 日中、集中力が続かない
放置すれば、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こす可能性も。
「自分は大丈夫」と思わず、気になる方は早めにご相談ください。
7. 金町駅徒歩7分の当院で専門的な検査・治療が可能です
金町よしだクリニックでは、睡眠時無呼吸や高血圧に関するお悩みに対し、
専門医による丁寧な診察・自宅でできる検査・適切な治療のご提案を行っています。
- 高血圧の原因がわからない
- 睡眠の質が悪く疲れが取れない
- いびきが気になっている
そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医/日本消化器病学会 専門医/日本肝臓学会 専門医/日本内科学会 総合内科専門医)

