【医師監修】肥満といびきの関係:痩せれば呼吸もラクに?

「最近太ってから、いびきがひどくなったと言われる」
「ダイエットしたらいびきが減った気がする」
そんな経験はありませんか?

いびきと体重の関係は非常に深く、肥満が睡眠の質や呼吸に与える影響は見逃せません。
この記事では、なぜ太るといびきが出やすくなるのか、どのくらい痩せれば改善が期待できるのか、医学的な視点から解説します。

1. いびきの原因は「空気の通り道」が狭くなること

いびきは、寝ている間に空気の通り道(気道)が狭くなり、呼吸する際に粘膜が振動することで発生します。
この「狭くなる」原因の一つが肥満による組織の圧迫です。

1-1. 首まわりの脂肪が気道を塞ぐ

太ると首周りや喉の内側にも脂肪がつき、気道が狭くなります。
その結果、睡眠中に気道が塞がれやすくなり、いびきや無呼吸が起きやすくなるのです。

1-2. 横隔膜や胸の動きも制限される

内臓脂肪が多いと、腹部が圧迫されて呼吸の動きが妨げられます。
特に仰向けで寝ると、重力の影響で呼吸しづらくなり、いびきが悪化します。


2. 肥満が招く「睡眠時無呼吸症候群」とは

単なるいびきではなく、**呼吸が断続的に止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」**に進行するリスクがあります。

2-1. SASと診断される基準

睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)が1時間に5回以上起きると、SASと診断されます。
特にBMIが25以上で、いびきがある方はリスクが高いとされています。

2-2. SASが引き起こす合併症

  • 高血圧
  • 心疾患(心筋梗塞・不整脈など)
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 日中の強い眠気による交通事故リスク

肥満+いびきは、こうした命に関わる病気の前兆とも言えるのです。


3. ダイエットは「いびき改善の第一歩」

「少し痩せただけで、いびきが減った」という方は多くいらっしゃいます。
なぜ痩せることで呼吸がラクになるのでしょうか?

3-1. 気道の広さが回復する

減量により首周りの脂肪が減ると、気道が物理的に広がり、空気の通りがスムーズになります。
特に首回りのサイズが小さくなることが効果的とされています。

3-2. 睡眠の質が向上する

肥満が原因の無呼吸が改善されることで、睡眠の質も向上。
日中の眠気や集中力の低下、疲労感の軽減にもつながります。


4. どのくらい痩せれば効果がある?

もちろん個人差はありますが、研究では体重の5〜10%減少でSASの改善が期待できるとされています。

例えば、

  • 体重80kgの方が4〜8kg減量した場合
  • 無呼吸の頻度(AHI)が軽減されることが多い
  • いびきの音量や頻度が減る報告も

ただし、減量だけで完全に治るわけではなく、重症の方は併用治療が必要になることもあります。


5. 自分がSASかどうかを知る方法

当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査として自宅で行えるスクリーニング検査をご案内しています。

5-1. 簡易検査の流れ

  1. 専用機器を貸し出し
  2. 自宅で一晩、呼吸や酸素の状態を記録
  3. 数値からAHI(無呼吸指数)を算出
  4. 医師による結果説明と治療方針のご提案

検査は1泊のみ・痛みなし・予約制です。


6. いびき・肥満・無呼吸が重なる人は早めに相談を

以下のような方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

  • 30代〜60代で体重が増えてきた
  • 首が太くなり、寝るといびきが大きい
  • 朝起きてもスッキリしない
  • 日中に眠気が強い
  • 家族から「寝てる時に息が止まってる」と言われた

放置せず、一度医療機関での検査・相談をおすすめします。


7. 金町駅徒歩7分|当院でいびきと肥満の検査・相談が可能です

金町よしだクリニックでは、いびきや睡眠時無呼吸の診断・治療に力を入れています。
肥満が気になる方、いびきが指摘されている方には、睡眠の質をチェックする検査をおすすめしています。

CPAP治療、スリープスプリント(マウスピース)、生活指導など、症状に応じたオーダーメイドの対応が可能です。


当院では、最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。


【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医/日本消化器病学会 専門医/日本肝臓学会 専門医/日本内科学会 総合内科専門医)