肛門掻痒症(肛門そうよう症)
肛門掻痒症(肛門そうよう症)とは?
肛門の強いかゆみを主症状とする疾患の総称で、原因は多岐にわたります。
かゆみが生活の質を著しく低下させることがあります。
原因は?
皮膚刺激(洗浄のしすぎや石鹸)、不適切な清拭、寄生虫(回虫など)、感染(カンジダなど)、痔や湿疹、汗や皮脂の蓄積、内科的原因(糖尿病など)や薬剤の副作用など多岐に渡ります。
心理的ストレスが増悪因子となることもあります。
症状は?
夜間に悪化することが多く、掻くことで皮膚がただれ、さらに症状が悪化する悪循環になります。
検査方法は?
視診で皮膚変化を確認し、必要に応じて検便(寄生虫)、皮膚培養、真菌検査、血液検査(糖尿病など基礎疾患の評価)を行います。
注意点は?
自己判断で強いステロイド外用を長期使用すると皮膚萎縮を招く恐れがあります。
症状の原因を丁寧に探ることが重要です。
治療法は?
原因に応じた対応をします。
寄生虫があれば駆虫、真菌感染なら抗真菌薬、炎症性やアレルギー性なら短期の外用薬や保湿、生活指導(刺激物回避、適切な清拭)を行います。
重症例では内服治療や精神的サポート、皮膚科との連携を行います。