脂質異常症

脂質異常症
脂質異常症は、血中のコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)の異常値を示す状態で、動脈硬化や心血管疾患のリスクが高まります。
生活習慣病の1つです。
原因は?
遺伝、食事(高脂肪食)、運動不足、肥満、糖尿病との合併が挙げられます。
症状は?
多くの場合無症状です。
長期的に血管の中に脂肪が多いと、血管の壁に脂の固まり(プラーク)がたまってきます。
プラークがたまることにより、血管が細くなったり、血栓ができて血管が詰まったりする原因になります。
心臓の血管が狭くなることによる胸痛(狭心症)や、心臓の血管が詰まることによる心筋梗塞のリスクがあります。
また、脳の血管が詰まることにより脳卒中のリスクになってしまいます。
検査方法は?
血液検査(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリドの測定)があります。
注意点は?
他の生活習慣病と同じように、「症状がない」のが一番怖い部分です。
健康診断などで指摘されているのに、10年以上放置されているのをよく拝見します。
血管の脂は、長時間をかけて徐々に蓄積していきます。
また食事の欧米化、高脂肪がちまたにあふれていることにより、若い世代でも脂質異常症が増えています。
早期の治療により、動脈硬化予防が予防できます。
治療法は?
まずは食事療法(低炭水化物食、低脂肪食、食物繊維の摂取)と運動療法を徹底してもらいます。
それでも改善しない場合には薬物療法を行います。

生活習慣病に対する誤解について
生活習慣病について一部の方の誤解が多いです。
以下のような誤解があります。
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Q,知り合いに生活習慣病は一度薬をはじめるとやめられないから、飲むなと言われましたけど?
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A,生活習慣病で薬を始める場合には「既に体の機能が下がってしまっている状態」です。
年齢があがっていくにつれて、個人個人によって機能の下がり方は異なります。
例えば、腰が悪い人もいれば、目が悪くなる人もいます。
「生活習慣病のうち、出て来てしまった病気は、あなたの弱点」なのです。
薬によって、あなたの弱点が改善します。
しかし、薬をやめてしまえば元通りです。
そのため、風邪薬のように「良くなったからやめよう」ということは難しいのです。
稀に薬を飲みながら「食事療法や運動療法頑張って」薬がやめられる方もいます。
ただし、並大抵の努力ではありません。
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Q,症状がないのに何で薬を飲まないといけないんですか?
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A,生活習慣病は「サイレントキラー」とも言われます。
つまり、「症状がないのに、いつのまにか悪くなって、体を壊していく病気」なのです。
風邪などのつらい症状が出ると、私たちはすぐに病院に行って直してもらおうとします。
「症状があるから、治療にたいするモチベーションが高い状態」です。
しかし、症状がなければどうでしょうか。
「症状がないから、放っておこう」という方が多く出てしまいます。
「症状がない=体に害がない」のではありません。
生活習慣病は症状がないのに悪いからこそ、とてもやっかいな存在だと言えます。
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Q,生活習慣病を治療して何か良いことがありますか?
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A,あります。
それは「健康寿命の増加」です。
日本は、世界でも長寿の国です。
しかし、寝たきりや認知症の状態で最後を迎える方が多く、介護者のなり手も少なく社会問題になっています。
そして、「健康寿命」とは「身の回りのことを一人でできる寿命」のことです。
「介護がいらない寿命」とも言い換えられます。
生活習慣病の治療により、血管を若くたもち、内臓を元気に保つことで、脳梗塞や心筋梗塞を予防し、
「人生の最後まで自分の面倒を自分でみる」ことができるようになるのです。