ピロリ菌感染

ピロリ菌感染
ピロリ菌感染は、胃に感染する細菌(ヘリコバクター・ピロリ)による疾患です。
胃潰瘍や胃がんのリスクを高めます。

原因は?
ピロリ菌の感染経路は主に口から感染します。
多くは3歳までに両親の口もしくは井戸水などから感染すると言われています。
成人となってからの感染は稀です。
症状は?
多くの場合無症状です。
ただし、ピロリ菌の感染が長期に渡ると胃の壁が薄くなる萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)となり、その後放置していると胃がんができることもあります。
また胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍のリスクでもあります。
検査方法は?
血液検査でピロリ菌に対する抗体があるかどうかで検査をします。
ただし、通常は
①胃カメラを行ってピロリ菌が居そうか確認→②ピロリ菌が居そうならば血液検査をする
という流れになります。
注意点は?
ピロリ菌の感染により、胃がんのリスクは跳ね上がります。
その為、胃カメラでピロリ菌が疑われ、血液検査でピロリ菌に対する抗体が増えていた場合には、ピロリ菌の除菌治療が推奨されます。
ただし、ピロリ菌を除菌するとそのまま感染している時よりも胃がんの確率を1/3にできますが、ゼロにはならないので除菌後も毎年の胃カメラが必要です。
治療法は?
抗菌薬2種類と胃薬(プロトンポンプ阻害薬)の組み合わせによる除菌治療が行われます。
一次除菌(1回目の除菌)で9割の方が除菌成功になりますが、残りの1割の方は二次除菌(2回目の除菌)が必要です。
二次除菌でも9割の方が除菌成功になりますが、残りの1割の方は三次除菌(3回目の除菌)が必要です。
ということで、二次除菌までに1%の方は除菌失敗になります。(100人除菌したら二次除菌で1人は失敗するということです。)
二次除菌までは保険適応ですが、三次除菌からは保険適応にならず、専門の施設を受診する必要があります。
除菌が成功しているかは、尿素呼気試験(にょうそこきしけん)という検査で確認します。
この検査は除菌が終わって2ヶ月ぐらい経ってから行います。
何故かというと、除菌後すぐにはピロリ菌が元気がなくなっており、胃の中にピロリ菌が残っていても「ピロリ菌がいない」という間違った結果が出てしまう可能性があるからです。