【医師監修】大腸カメラのあとはどう過ごす?食事・運動・注意点を専門医がわかりやすく解説
『大腸カメラのあとは、すぐに普通の生活に戻れる?』
『ポリープを取った場合は何を気をつけるの?』
『お酒や運動は控えるべき?』
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けたあとの過ごし方について、具体的な注意点がわからず不安になる方は少なくありません。
特に、鎮静剤を使用した場合やポリープ切除を行った場合は、検査後の体調管理がとても大切です。
この記事では、大腸カメラ後に気をつけるべきポイント、食事・入浴・運動・仕事復帰のタイミングなどを専門医が丁寧に解説します。
1. 検査後すぐは「安静第一」
大腸カメラでは、鎮静剤(眠くなる薬)を使って検査を行うことが多くあります。
この薬の効果は数時間で切れますが、完全に体から抜けるまでは判断力や反応が鈍る可能性があります。
そのため、検査後は以下のように過ごすことをおすすめします。
- 検査当日は自転車・車・バイクの運転は避ける
- 自宅に帰ったらゆっくり横になって過ごす
- 重要な判断や会議、契約などは避ける
検査後は院内で30分~1時間ほど休憩してからお帰りいただきますが、帰宅後も無理は禁物です。
2. 食事はいつから?何を食べたらいい?
大腸カメラの前は前日から食事制限があり、検査当日は絶食で臨むことになります。
検査後は基本的にすぐに食事をとることが可能ですが、刺激の強い食べ物や脂っこいものは避けるのが無難です。
検査のみ(ポリープ切除なし)の場合:
- 検査終了後1~2時間で飲食OK
- 白米・パンなど消化の良いものから
- 刺激物・冷たい飲料・アルコールは当日は控える
ポリープを切除した場合:
- 当日は消化に良いものを控えめに摂取
- 翌日以降も7日は消化の良い食事を心がける
- アルコール・カフェイン・香辛料は2〜3日控える
- 7日間は旅行や遠出を控えるようにしてください
ポリープ切除後は、腸に傷がついている状態のため、食事の内容に注意が必要です。
3. 入浴・シャワーは?
ポリープ切除がない場合:
- 当日から軽めのシャワー可、入浴もOKです。
ポリープ切除を行った場合:
- シャワーは当日夜からOK
- 入浴や長時間の湯船は翌日からが目安
また、湯船に浸かると血行がよくなり、まれに出血が起こる可能性があるため、湯温や長時間の入浴には注意しましょう。
4. 運動や仕事復帰はいつから?
検査のみ(ポリープ切除なし)の場合:
- 翌日から通常の生活に戻れます
- 軽い運動も翌日以降OK
ポリープを切除した場合:
- 激しい運動や重い荷物を持つ作業は2~3日休む
- デスクワークなど軽作業であれば翌日から可
出血リスクを避けるため、腹圧がかかる行動(運動・便秘・重労働)は控えるのが基本です。
5. 気をつけたい症状と対応の目安
大腸カメラ後は多くの方が問題なく過ごせますが、以下のような症状が出た場合は注意が必要です。
- 出血が続く(ティッシュで拭いても赤い血が出る)
- 強い腹痛・吐き気・発熱
- 便が真っ黒、あるいはドロッとした赤い血が出る
- 意識がもうろうとする、冷や汗が止まらない
このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関へご連絡ください。
当院で検査を受けた方には、緊急時の連絡先をご案内していますので安心です。
6. 定期検査の習慣づけが「がん予防」につながる
大腸カメラは、ポリープを発見・切除することで大腸がんを未然に防ぐことができる検査です。
一度検査を受けて安心してしまうのではなく、
- ポリープがあった方は1年おき
- 異常がなかった方も2~4年に1度
を目安に、定期的に検査を受ける習慣が、あなたの健康を守ります。
最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)