【医師監修】【葛飾区金町】健康診断で「肝障害」と言われたら?放置が危険な理由と対処法

健康診断の結果で「AST(GOT)やALT(GPT)が高い」「γ-GTPが基準値を超えている」と書かれていて、不安を感じたことはありませんか?
肝臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれるほど、自覚症状が出にくく、異常が見逃されやすい臓器です。

「お酒を控えれば大丈夫?」
「このまま放置しても平気なの?」
「病院で何をしてもらえるの?」

こうした疑問をお持ちの方へ、この記事では肝機能異常を指摘された際の注意点や、具体的な対処法を専門医の視点からわかりやすく解説します。
正しい理解と早めの行動が、将来の健康を守るカギとなります。


1. 肝臓の数値が高い=沈黙の異常サイン

肝臓は代謝や解毒、栄養の貯蔵など多くの働きを担っていますが、多少のダメージでは痛みや症状が現れません。

1-1. 健診でよく見る肝機能の項目と異常の目安

検査項目基準値(目安)異常が示す可能性
AST(GOT)10~40 U/L肝細胞の障害、筋肉の異常など
ALT(GPT)5~45 U/L肝細胞の障害に特異的
γ-GTP(γ-GT)10~50 U/L(男女差あり)アルコール性肝障害、脂肪肝など
ALP100~350 U/L胆道系の異常、肝硬変

これらの数値が基準値を超えている場合、肝臓に何らかの負担や障害が生じている可能性があります。


2. 肝障害を放置するリスクとは?

「ちょっと数値が高いだけなら大丈夫だろう」と放置することは、後々深刻な病気へつながる恐れがあります。

2-1. 脂肪肝 → 肝炎 → 肝硬変 → 肝がんへと進行することも

特に脂肪肝は現代人に多い肝障害の入り口です。食生活や飲酒習慣の乱れが続くと、以下のように病状が進行することがあります。

  • 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/MASLD)
     ↓
  • MASH(代謝異常関連脂肪肝炎
     ↓
  • 肝線維化(線維が肝臓にたまる)
     ↓
  • 肝硬変 → 肝がん

気づいたときには「がん」や「肝不全」など命に関わる事態になることも。
だからこそ、数値が少し高めでも早期に医師の診断を受けることが大切です。


3. 肝障害の原因は?自分にあてはまる項目は要注意

肝機能異常の背景にはさまざまな要因があります。

3-1. 飲酒習慣

アルコールは肝臓に直接的な負担をかけ、γ-GTPの上昇や脂肪肝の原因になります。
「毎日缶ビール1本だけ」でも、肝機能に悪影響を及ぼすことがあります。

3-2. 肥満・メタボ体質

内臓脂肪が多い方は、脂肪肝やインスリン抵抗性によるMASHを引き起こすリスクが高まります。

3-3. 薬の影響

一部の市販薬やサプリメント、健康食品も肝障害を引き起こす場合があります。
風邪薬や鎮痛剤でも長期服用は注意が必要です。

3-4. ウイルス性肝炎

B型・C型肝炎など、感染による肝炎も見逃せません。
特にC型肝炎は慢性化しても無症状のまま進行するため、血液検査によるスクリーニングが必要です。


4. すぐできる生活改善で肝臓を守る方法

異常を指摘されたら、生活習慣の見直しが必須です。

4-1. 禁酒・節酒の徹底

完全に禁酒が難しい場合も、週に数日は肝臓を休める「休肝日」を作ることが大切です。

4-2. 食生活の見直し

  • 糖質・脂質のとりすぎを避ける
  • 野菜、海藻、きのこ類を積極的に
  • 加工食品やスナック菓子は控える

※肝臓は「たんぱく質の摂取」が重要なため、肉・魚・卵・豆類など良質なたんぱく質をしっかり摂取することも忘れずに。

4-3. 適度な運動

ウォーキングなどの軽い有酸素運動を週3回以上行うと、脂肪肝の改善が見込めます。


5. 病院では何をする?肝障害の精査とフォロー体制

肝機能異常がある場合、単なる「生活習慣の指導」だけでなく、精密な検査と経過観察が不可欠です。

5-1. 血液検査の再評価

  • AST/ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビンなど
  • ウイルスマーカー(B型・C型)
  • 肝線維化マーカー(M2BPGi、FIB-4など)

5-2. 腹部超音波(エコー)検査

脂肪肝、肝腫瘍、胆石などの合併症の確認が可能です。
当院では、最新の高精度な超音波機器を導入し、画像診断にも力を入れています。

5-3. 専門医による経過観察と指導

当院では消化器・肝臓専門医が、肝臓の状態や生活背景をふまえたアドバイスを行い、継続的なサポートを提供しています。


6. 金町よしだクリニックでは、肝機能異常の早期対応が可能です

肝臓の異常は初期症状がないからこそ、早めに医師と一緒に確認し、方針を立てることが将来の健康を守る第一歩です。

当院では、

  • 健診結果に基づく的確な再検査と診断
  • 肝疾患の進行度を見極める最新の超音波検査
  • 専門医による丁寧な説明と生活指導
  • 日帰り・痛みの少ない内視鏡での精密検査も対応

これらをワンストップで提供しています。


金町駅から徒歩2分というアクセスの良さもあり、
葛飾区だけでなく、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市などからも多数の患者様が来院されています。


7. まとめ|「肝障害」は小さな異常のうちに対応するのが鍵

  • 肝臓は自覚症状が出にくいからこそ、健診での異常は見逃さない
  • 飲酒・肥満・薬の副作用・ウイルスなど原因はさまざま
  • 生活習慣を見直し、必要なら精密検査や継続的なフォローを
  • 医師と一緒に将来の健康リスクを減らす行動を始めましょう

最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。


【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)