【医師監修】いびきとアルコール:お酒でいびきがひどくなる原因

「お酒を飲んだ日はいびきがひどいと言われる」
「寝酒を習慣にしているけど、朝の疲れが取れない」
そんなお悩みを持つ方は、アルコールといびきの関係に注意が必要です。

30~60代の働き盛り世代に多い「いびき」は、単なる音の問題ではなく、無呼吸や高血圧、集中力の低下など健康リスクを伴うことがあります。特に「お酒」との組み合わせは、いびきを悪化させる一因として知られています。

本記事では、いびきとアルコールの関係、危険な兆候、対処法について専門医が詳しく解説します。

1. アルコールがいびきを悪化させる3つの理由

1-1. 喉の筋肉がゆるんで気道が狭くなる

アルコールには筋肉を弛緩させる作用があり、睡眠中に喉の筋肉が緩みやすくなります。その結果、気道が狭くなり、いびきが出やすくなります。

1-2. 呼吸中枢の働きが鈍る

お酒を飲むと、脳の呼吸中枢も一時的に鈍くなります。これにより呼吸のリズムが乱れたり、一時的に止まったりすることがあり、無呼吸症候群のリスクも高まります

1-3. 深い眠りになりすぎて覚醒反応が鈍る

アルコールを摂取すると、一時的に深い眠りに入りやすくなります。ところが、いびきや無呼吸による酸欠状態に脳が反応しにくくなり、苦しくても目が覚めにくい状態になるため、症状が重くなるのです。


2. 「寝酒」が習慣化している人ほど要注意

「眠れないから寝る前にお酒を飲む」という方も少なくありません。しかし、これは睡眠の質を下げる原因になります。

  • 熟睡感が得られにくくなる
  • 起床時に疲れが残る
  • 夜間のトイレ回数が増える
  • 無呼吸の悪化につながる

とくに、毎晩のようにアルコールを摂取している人は、いびきや無呼吸の重症化リスクが高まります。


3. いびき+お酒=睡眠時無呼吸のリスク大

次のような症状がある場合は、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**の可能性が高まります。

  • 「飲んだ日は特にいびきがひどい」と言われる
  • 昼間に強い眠気がある
  • 起床時に頭痛や口の渇きがある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 集中力が落ちていると感じる

このような方は、早めの検査・相談が重要です。


4. 対処法:お酒と上手に付き合うために

4-1. 寝る3時間前には飲み終える

アルコールの影響は体内に数時間残ります。就寝直前の飲酒は避け、できれば寝る3時間前までに切り上げましょう。

4-2. お酒の量を見直す

たとえば、毎日缶ビール1〜2本でもいびきが強まることがあります。休肝日を作ったり、飲酒量を減らすことで症状が軽減するケースもあります。

4-3. 横向き寝や枕の高さ調整

仰向けで寝ると舌が喉に落ち込みやすく、いびきが悪化しやすい傾向があります。横向き寝を意識することで気道が確保され、いびき軽減に役立ちます。


5. 当院のいびき・睡眠時無呼吸の検査と治療

金町よしだクリニックでは、いびきや日中の眠気でお悩みの方に対し、自宅で行える簡易検査を実施しています。
小型の検査機器を一晩装着するだけで、睡眠中の呼吸状態やいびきの程度、酸素濃度などを測定できます。

結果に応じて、

  • CPAP(シーパップ)療法
  • マウスピース治療(スリープスプリント)
  • 生活習慣指導(体重・姿勢・飲酒指導など)

を組み合わせたオーダーメイド治療を提供しております。


6. 最後に|お酒といびきを軽く見ないで

「お酒を飲むといびきがひどくなる」と感じている方は、単なる一時的な問題ではなく、睡眠時無呼吸症候群の入り口かもしれません。
特に「飲んだ後、息が止まっている」「疲れが取れない」と感じる方は、できるだけ早く医師に相談しましょう。


当院では、最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
金町駅から徒歩7分とアクセスも良く、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市からも多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医/日本消化器病学会 専門医/日本肝臓学会 専門医/日本内科学会 総合内科専門医)