【医師監修】タバコとお酒、どちらが胃に悪い?消化器専門医が解説

「タバコとお酒、どちらが胃に悪いですか?」
診察室でよくいただくこの質問。健康意識の高い30〜60代の方にとっては、生活習慣の見直しとともに気になるテーマのひとつでしょう。

特に、胃のもたれや痛み、胸やけなどの不快な症状が続いている場合、タバコや飲酒が原因である可能性は十分にあります。

この記事では、消化器病専門医の立場から、タバコとアルコールが胃腸に及ぼす具体的な悪影響と、必要に応じて受けるべき内視鏡検査のタイミングについて詳しく解説します。

「なんとなく調子が悪いけど、市販薬でごまかしてる」という方は、ぜひ最後までお読みください。


1. タバコと胃の関係|百害あって一利なし

1-1. 胃粘膜の血流を低下させる

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、胃粘膜への血流を悪くします。
その結果、胃の粘膜が弱くなり、炎症や潰瘍が起こりやすくなるのです。

1-2. 胃酸の分泌を促進=ダメージ増大

さらにニコチンは胃酸の分泌を促進する作用もあり、すでに炎症がある胃に対してさらなる刺激を与えてしまいます。

  • 胃がチクチク痛む
  • 食後にムカムカする
  • 空腹時に胃がシクシクする

こうした症状がある方で、喫煙習慣がある場合、慢性胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎のリスクが高い状態です。

1-3. ピロリ菌の治療にも悪影響

ピロリ菌感染がある場合、除菌治療を行うことが多いですが、喫煙は除菌成功率を下げる要因の一つとして知られています。

「除菌したはずなのにまた胃が痛い」というケースでは、タバコの影響が疑われることもあります。


2. アルコールと胃の関係|種類・量によって影響は異なる

2-1. アルコール自体が胃粘膜を刺激する

アルコールは直接、胃の粘膜を刺激して炎症を引き起こす物質です。
特に、空腹時や大量摂取の際には、胃壁がただれ、**急性胃炎(いわゆる酒胃)**を発症するリスクがあります。

2-2. ビール?焼酎?ワイン?種類ごとの影響は?

  • ビール・ワインは酸性度が高く、胃酸とともに胃粘膜を刺激しやすい
  • 焼酎やウイスキーなどの高濃度アルコールは少量でも強い刺激に
  • 日本酒は糖質が高く胃の消化活動に負担をかける

つまり「お酒は何を飲んでも胃には少なからず負担」になります。

2-3. 飲酒×喫煙の相乗効果に注意

お酒とタバコをセットで習慣にしている方は要注意です。
この組み合わせは胃がんリスクを加速度的に高めるという研究結果も出ており、消化器内科としても最も危険視している生活習慣のひとつです。


3. 胃のSOSサイン|放っておいてはいけない症状とは?

  • 食後の胃のもたれが1週間以上続く
  • 空腹時や夜間の胃痛
  • げっぷや胸やけが頻繁に起こる
  • 食欲が低下している
  • みぞおちの不快感や鈍い痛みがある

これらの症状がある場合、単なる生活習慣の問題だけではなく、慢性胃炎、逆流性食道炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染、さらには胃がんの初期症状の可能性もあります。

“なんとなく市販薬”で様子を見るより、内視鏡で根本を確認することが大切です。


4. 「怖くない内視鏡検査」で根本を見つける

4-1. 無痛で眠っている間に終わる、当院の胃カメラ

当院の胃内視鏡検査は、鎮静剤を使用し、痛みや不快感なく受けられることが特徴です。

  • 胃カメラに不安がある方
  • 嘔吐反射が強い方
  • 初めての検査で緊張している方

こうした方にも「思っていたより楽だった」と好評です。

4-2. 最新機器と専門医の組み合わせで正確な診断

当院では、富士フィルム製の高解像度・最新の内視鏡機器を導入しており、微細な病変も見逃しません
検査はすべて日本消化器内視鏡学会専門医が担当し、検査後の説明も丁寧に行っています。


5. 「まだ大丈夫」なうちに、胃の中をチェックしよう

タバコやお酒がやめられない方こそ、定期的な胃カメラ検査が重要です。

  • 胃がんや胃潰瘍の早期発見
  • ピロリ菌の有無の確認
  • 胃粘膜の萎縮や慢性炎症のチェック
  • 逆流性食道炎の診断

放置すれば進行する疾患を、無痛・日帰りで確認できることは大きな安心材料になります。


6. まとめ|タバコもお酒も「胃に悪い」。だからこそ定期検査を

結論として、タバコもお酒もどちらも胃に悪影響があります。
ただし、影響の出方やリスクの高さには個人差があるため、実際の胃の状態を直接確認することが最も確実な方法です。

胃の症状が気になる方、生活習慣に不安がある方は、今こそ内視鏡検査を受けるタイミングかもしれません。


最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)