【医師監修】夜間の腹痛…救急に行くべき?それとも翌日の受診でOK?判断ポイントを解説

夜中に突然襲ってくる腹痛。
「このまま様子を見ていいのか、それとも救急病院に行くべきか…」と悩んだ経験はありませんか?

夜間の腹痛には、「翌日まで様子を見て大丈夫なケース」と、「すぐに救急対応が必要なケース」があります。
この記事では、夜間の腹痛時に迷わないための判断ポイントを、消化器内科専門医がわかりやすく解説します。


1. 夜間の腹痛で「救急に行くべき」ケースとは?

以下の症状がある場合は、すぐに救急外来を受診してください。
放置すると命に関わることもあります。

1-1. 動けないほど強い痛み・冷や汗・顔面蒼白

激しい痛みや、意識がもうろうとするほどの状態は、腸閉塞・穿孔・胆石発作・急性膵炎などの重篤な病気のサインです。

  • お腹を触るとガチガチに硬い
  • 体を動かすたびに激痛が走る
  • うずくまるほど痛く、冷や汗が出る

これらがある場合は、すぐに救急車を呼ぶ判断が必要です

1-2. 発熱・嘔吐・下痢などを伴う急激な腹痛

  • 発熱(38℃以上)+腹痛
  • 嘔吐・下痢が止まらない
  • 血便が出る

これらは感染性腸炎、急性虫垂炎、腸閉塞などの可能性があります。特に、高齢者や小児では脱水が進みやすく、注意が必要です。

1-3. 高齢者・妊婦・基礎疾患のある方の腹痛

これらの方の腹痛は、症状が軽く見えても重大な病気が隠れていることがあるため、自己判断せず救急での診察が望ましいことがあります。


2. 翌日の受診でよい「比較的軽症」の腹痛

一方で、次のような症状の場合は、夜間の受診は急がず、翌日の受診でも問題ないことが多いです

2-1. 我慢できる程度の痛みで、時間とともに軽くなる

  • 市販の整腸剤や胃薬で少しラクになる
  • 食後の腹痛が一時的に出る
  • 排便後にスッキリする

これらは**一過性の胃腸炎や過敏性腸症候群(IBS)**の可能性があり、翌日の消化器内科受診で十分対応できます。

2-2. 繰り返す軽い痛み・違和感

  • 以前にも似たような腹痛を経験している
  • 痛みが断続的で、日常生活に支障はない
  • 熱や吐き気などの強い随伴症状がない

この場合は、胃腸の炎症や機能性の腹痛が考えられます。急いで救急に行くより、翌日の専門的な診察をおすすめします。


3. 救急を呼ぶか迷ったら?判断のヒント

夜間に腹痛があり、救急に行くべきか迷った場合、以下の3つのポイントで判断しましょう。

3-1. 「痛みの強さ」で判断

  • 10段階で7以上の痛み:救急へ
  • 5〜6程度で徐々に軽くなっている:翌日受診

3-2. 「症状の変化」で判断

  • 急に痛みが悪化した
  • 冷や汗、吐き気、立てないなどの症状が追加された
    → 救急受診を検討しましょう。

3-3. 「既往歴や年齢」で判断

  • 高齢者、妊婦、小児、糖尿病・心臓病など基礎疾患のある方
    → 慎重に、早めの受診が安全です。

4. 当院でできる腹痛の原因診断と検査

金町よしだクリニックでは、**「救急には行かなかったけれど不安が残る腹痛」**のご相談にも対応しています。

4-1. 消化器専門医による診察と適切な検査

  • 胃・腸・胆のう・膵臓などを対象に、的確な診断と治療方針をご提案
  • 腹部エコー・採血・便検査なども当日実施可能
  • 必要に応じて無痛の胃カメラ・大腸カメラも予約可能

4-2. 繰り返す腹痛・慢性の下痢・便秘にも対応

「また腹痛になったらどうしよう」と不安を感じている方には、再発予防や生活指導まで含めたサポートを行います。


5. よくある質問(Q&A)

Q1. 夜間に一度落ち着いた腹痛が翌朝また出た場合、どうすればいい?
→ 翌朝の時点で痛みが再発・継続している場合は、消化器内科をすぐ受診してください。自然治癒を待つより、原因を明らかにした方が安心です。

Q2. 夜間に救急へ行くべきか、朝まで待って専門医にかかるべきか悩んだら?
強い痛み・嘔吐・発熱・血便・動けないなどがあれば夜間救急へ
それ以外は、翌日専門医(消化器内科)での診察をおすすめします


6. まとめ|夜間の腹痛は「放置」も「救急依存」もNG。正しい判断で安心を

夜間の腹痛は、不安も大きくなりがちです。
ですが、「すぐに受診すべき状態」なのか、「翌日の専門外来で十分」なのかを正しく判断することが何より重要です。

自己判断で様子を見続けたり、逆に不要な救急受診を繰り返したりすることで、かえって身体への負担や不安が増えてしまいます。

気になる腹痛があったら、専門医のいるクリニックでの早期受診・早期診断を心がけましょう。


最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な診察と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。


【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医/日本消化器病学会 専門医/日本肝臓学会 専門医/日本内科学会 総合内科専門医)