【医師監修】大腸がんになってしまいやすい食事とは?今日から見直す食習慣

『大腸がんは食生活が原因になると聞いたけれど、何がいけないの?』
『普段の食事が将来のがんリスクになるなんて不安…』

そんな声が増えています。
実は、大腸がんは「予防できるがん」とも呼ばれており、毎日の食事が発症リスクに大きく影響することがわかっています。

本記事では、大腸がんになりやすいとされる食事と、その理由、今日からできる改善法を、消化器専門医の視点でわかりやすく解説します。


1. 大腸がんの発症に食事が関係する理由

大腸は、食べた物の最終処理を担う臓器です。
つまり、毎日どんな物を食べているかが、腸内環境に直接反映されるということ。

とくに大腸がんは、腸の粘膜が慢性的な刺激を受けることでポリープができ、そこからがんに進行することが多いため、
刺激の強い食生活ががんの土台を作ってしまうのです。


2. 大腸がんリスクを高めるとされる食習慣

2-1. 加工肉・赤身肉の多食

WHO(世界保健機関)も警告を出している通り、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉や、牛・豚・羊などの赤身肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高めるとされています。

  • 加工肉には発がん性が指摘される亜硝酸塩や保存料が含まれている
  • 赤身肉は、腸内で鉄や脂肪と反応し、有害物質を発生させやすい

摂取量を控えることが予防の第一歩です。

2-2. 食物繊維の不足

野菜や海藻、豆類に含まれる食物繊維は、腸内の発がん物質を吸着し、便として排出してくれる働きがあります。

食物繊維が不足すると、

  • 便秘がちになり、腸内に有害物質が長時間とどまる
  • 腸内細菌のバランスが崩れ、炎症やがんの温床になりやすい

というリスクが高まります。

2-3. 高脂肪・高カロリーな食事

揚げ物・洋菓子・ファストフードなどに多く含まれる飽和脂肪酸は、
腸の細胞を刺激し、炎症や細胞変異のリスクを高めることが知られています。

特に高脂肪+低食物繊維の組み合わせは、腸内環境の悪化を加速させます。

2-4. アルコールの多飲

アルコールそのものも、腸にとっては刺激物です。
過剰な飲酒は大腸がんリスクを上げるだけでなく、肝臓や他の臓器の疾患も引き起こすため注意が必要です。

2-5. 野菜・発酵食品不足の食事

野菜や納豆・味噌などの発酵食品は、腸内細菌のバランスを整え、
がん抑制作用のある短鎖脂肪酸を増やす効果があります。

これらが不足していると、悪玉菌が優位になり、腸の健康を保ちにくくなります。


3. 今日からできる食生活の見直しポイント

  • 肉類は週2~3回に抑え、魚や豆腐、鶏むね肉などを積極的に
  • 毎食、野菜を手のひら2杯分を目安に
  • 発酵食品(味噌汁・納豆・ヨーグルト)を毎日少量でも取り入れる
  • 揚げ物・スナック菓子は控えめに
  • アルコールは週に数回、適量までに制限
  • 白米よりも玄米・雑穀米などの低GI・高食物繊維食を選ぶ

4. 食生活に不安がある方へ:検査で「今の腸の状態」を知っておく

もし、

  • 便秘や下痢が続いている
  • 黒い便や血便が出たことがある
  • 健診で便潜血陽性だった
  • 家族に大腸がん経験者がいる

という方は、**早めの大腸内視鏡検査(大腸カメラ)**をおすすめします。

ポリープはその場で切除可能で、がんになる前に予防できます。
検査は鎮静剤を使って痛みも最小限。当院では最新のハイブリッド挿入法とCO2送気で、苦しさの少ない検査を行っています。

ご案内

最新の内視鏡機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。

【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医、日本消化器病学会 専門医、日本肝臓学会 専門医、日本内科学会 総合内科専門医)