【医師監修】腹痛でお腹が張る…ガス溜まりと過敏性腸症候群の対策
「お腹が張って苦しい…」「痛みはあるのに、検査では異常がないと言われた」
そうした症状に悩む方は少なくありません。特に日常生活に支障をきたすほど腹部の膨満感が続くと、「これはただの便秘?」「もしかして病気?」と不安になりますよね。
今回は、腹痛とお腹の張りを引き起こすガス溜まりや**過敏性腸症候群(IBS)**について、医師の視点から原因と対処法を詳しく解説します。
1. お腹が張る・ガスが溜まる仕組みとは?
腹部の膨満感や張りは、腸内にガス(空気)が過剰に溜まることで起こります。
私たちは、飲食時や会話中、無意識に空気を飲み込んでいます。これが胃腸に残ってガスとなり、排出されないとお腹が張った状態に。
また、食べ物の消化や腸内細菌の働きでもガスは発生します。
通常は自然に排出されますが、ストレスや腸の運動異常があると排出がうまくいかず、腹部膨満感や腹痛の原因になります。
2. 過敏性腸症候群(IBS)とは?よくある症状
過敏性腸症候群(IBS)は、大腸に明確な器質的異常がないのに腹痛や便通異常が起こる機能性疾患です。
特に以下のような症状が2か月以上続く場合はIBSの可能性があります。
- □ 朝や通勤前になると腹痛・下痢・ガスが出る
- □ トイレに行くと症状が和らぐ
- □ 排便後もすっきりせず、残便感がある
- □ ストレスを感じるとお腹が張ったり痛む
- □ お腹がゴロゴロ鳴って人前がつらい
IBSは命に関わる病気ではありませんが、日常生活の質(QOL)を大きく下げるため、早めの対処が重要です。
3. ガス溜まりとIBSの原因は?ストレスと腸の関係
IBSやガス溜まりの背景には、次のような要因が関係しています。
3-1. 自律神経の乱れ
ストレスが続くと腸の動きを司る自律神経のバランスが乱れ、腸の収縮や排ガスのリズムが崩れます。
3-2. 腸内環境の悪化
- 加工食品・脂質の多い食事
- 睡眠不足や運動不足
- 抗生物質の乱用など
これらは腸内細菌のバランスを崩し、ガス産生菌が増える原因になります。
3-3. 食物繊維の摂りすぎ・摂らなさすぎ
繊維は腸にとって大切な栄養ですが、急に多く摂りすぎると発酵ガスが増え、逆に腸を刺激して腹痛を引き起こすこともあります。
4. ガス溜まり・IBS対策に役立つセルフケア
4-1. 食事の見直し
- よく噛んで食べ、早食いを避ける
- ガスを発生しやすい食品(豆類、炭酸、玉ねぎ、にんにく、甘味料)を減らす
- ヨーグルト・納豆などで腸内環境を整える
必要に応じてFODMAP(フォドマップ)食事法を取り入れるのも有効です。
4-2. ストレスケアと生活リズムの改善
- 朝決まった時間に起きて朝食を摂る
- 寝る前のスマホ使用を減らし、睡眠の質を上げる
- 軽い運動(ウォーキング・ストレッチ)で腸を活性化
腸は「第2の脳」とも言われ、メンタルと密接に関係しているため、心身両面のケアが大切です。
5. 受診が必要な腹痛のサインとは?
以下のような症状がある場合は、自己判断せず消化器内科などでの診察を推奨します。
- □ 急激にお腹が張って痛む
- □ 発熱や吐き気、血便を伴う
- □ 排便が極端に少ない・ガスが出ない
- □ 1か月以上、同じ症状を繰り返している
これらは大腸炎・腸閉塞・膵炎・婦人科系疾患などの可能性もあり、専門的な検査が必要です。
6. 当院でできる検査と治療|正確な診断で不安を解消
金町駅徒歩7分の金町よしだクリニックでは、消化器専門医が丁寧な問診と必要な検査を実施し、IBSやガス溜まりの原因を正確に診断します。
- 腹部エコー
- 血液検査
- 必要に応じて内視鏡検査(無痛・日帰り可)
- 食事・生活習慣指導
症状に応じて整腸剤・抗不安薬・漢方薬の処方も行い、身体だけでなく心のケアにも対応いたします。
7. まとめ|腹痛やお腹の張りは、我慢せず相談を
「たかがガス溜まり」と軽視されがちな腹痛やお腹の張り。ですが、繰り返す・長引く場合は明確な対処が必要です。
この記事で紹介したセルフケアや注意点を参考に、我慢せず医療機関に相談してみてください。
金町よしだクリニックでは、最新の検査機器、無痛内視鏡検査、消化器領域の専門医による丁寧な検査と説明で、安心して受けていただける環境を整えています。
当院には、葛飾区をはじめ、江戸川区、足立区、台東区、松戸市、市川市、三郷市も含めて広い地域から多くの患者様が来院されています。
【作成・監修】
金町よしだクリニック
院長 吉田 翼
(日本消化器内視鏡学会 専門医/日本消化器病学会 専門医/日本肝臓学会 専門医/日本内科学会 総合内科専門医)

