外来で何故丁寧に説明するのか

当院は先代の院長の頃から引き続いて丁寧な説明を心がけています。
今日は何故丁寧な説明を心がけるのか、私の思いをお伝えしたいと思います。

全ては健康と安心のために

丁寧な説明をする理由は、ズバリ、「皆さんの健康と安心のため」です。
今、ご本人の体の中で何が起こっているのか、何に気を付けるべきか、そしてどうしたらもっと体が良くなるのか。
こういったことを丁寧に説明することで、皆さんのなかで「自分の本当の状態に対する理解」が熟成されていきます。

昔(とは言ってもたった数十年前)、医療は押し付け的だった時代があります。
医者は結論だけ示し、患者はそれに従っていれば良いという時代です。
私、院長が研修医の時にはすでにその風潮は終了していました。
そして、大学病院で「説明を尽くすことを徹底的に叩き込まれました」

私が居た大学病院では、命に関わるような病気・検査・治療が沢山ありました。
集中治療室に入るような重症を治療したり、がんを内視鏡で切ったり、カメラを使って膵臓に針を直接さしたり、胆管の石をカメラで採ったりしました。
その際に大切なのが丁寧な説明です。
病状や検査、治療について丁寧な説明がなければ、患者さん本人や、ご家族も安心して診療が受けられないのです。

丁寧な説明は医師のためでもある

実は、丁寧な説明は医師のためでもあります。
説明に破綻があれば、患者さんから「これはどうなんですか?」と鋭い指摘を頂くことになります。
自分の理解度が十分であるのか、そして疑問が抱かれやすい説明になっていないのかを常にチェックする必要があるのです。
理解度が足りない場合には、調べたり知識を復習する必要があるかもしれません。

そして、丁寧な説明をするには色々と考えを深くめぐらせる必要があります。
深く考えることにより、診療の見落としを防ぐということにもつながります。

「治って良かった」その一言のために。

医師は一般的に思われるより数倍、あるいは数十倍、皆さんが健康を取り戻すことに嬉しさを感じます。
私も勿論そうです。
私は大学病院で救急に居た時期もあり、重症だった方が治癒して歩いて退院していくのを見て本当にこの仕事をしていて良かったと思いました。

そして内視鏡の治療を沢山するようになって、今まで治療ができなかった疾患を治療できるようにもなりました。
とてもエキサイティングな経験でした。

そして今、クリニックで外来をさせて頂くようになりました。
外来で様々な疾患を診療させて頂いていますが、大学病院と同等かそれ以上にエキサイティングです。
「どんな伝え方だったら、伝わりやすいんだろう」
「どんな説明だったら、理解しやすいんだろう」
日々勉強です。

そして、ここぞ!という時に、重症の状態を見逃さずに当院で治療したり、場合によっては大規模病院に紹介をする。
元気になられて「治って良かったです」とおっしゃって頂くことも多く、その一言で疲れは吹っ飛びます。

説明を尽くし、皆さんの安心をお助けし、病気を本当の意味で治す。
大学病院や大規模病院で培った経験・技術を総動員して、今後も頑張って参ります。
ぜひ金町よしだクリニックをよろしくお願いいたします。