高血圧

高血圧とは、心臓から送り出される血液が血管の壁に常に強い圧力をかけている状態を指し、生活習慣病の一つとされています。この状態が長く続くと、血管や心臓に慢性的な負担がかかり、動脈硬化が進行する原因になります。結果として、心不全や心筋梗塞、脳卒中などの重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。自覚症状が乏しいため、定期的な血圧測定と早期の生活習慣改善が重要です。

高尿酸血症（通風）

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が慢性的に高い状態のことを指し、尿酸が関節などに蓄積されると激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。特に足の親指の付け根などに症状が出ることが多く、炎症や腫れを伴います。放置すると腎機能にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の診断と食事・生活習慣の見直し、薬物療法が必要です。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪（トリグリセリド）が正常値から外れている状態で、動脈硬化の主要な原因とされています。悪玉(LDL)コレステロールが高すぎたり、善玉(HDL)コレステロールが少なすぎることで、血管の内側に脂肪が沈着し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。自覚症状は少ないため、健診での早期発見と生活習慣の改善が重要です。

糖尿病

糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる疾患であり、インスリンの分泌不足や作用の低下が原因で起こります。進行すると、目・腎臓・神経などの全身に合併症が生じるおそれがあり、失明や透析、足の壊疽など重篤な結果につながることもあります。脂肪肝があるとインスリンの効きが悪くなり、さらに悪化しやすくなります。早期診断と食事・運動療法を中心とした管理が重要です。

胃腸炎

胃腸炎は、胃や小腸・大腸の粘膜に炎症が生じる疾患であり、主にウイルスや細菌への感染が原因とされます。代表的な症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが挙げられ、脱水を引き起こすこともあります。特に高齢者や子どもは重症化しやすいため注意が必要です。感染性がある場合は家庭内や職場での予防対策も重要であり、早期の診断と対症療法が求められます。

便秘・下痢

便秘とは、排便の回数が少なくなったり、排便が困難になる状態を指します。一方で、下痢は水のような便が頻繁に出る状態で、腸の運動異常や消化吸収の乱れが関係しています。どちらも食生活の乱れや水分不足、ストレス、運動不足などが原因となることが多く、慢性的に続く場合は腸の病気が隠れていることもあります。生活習慣の見直しに加え、必要に応じた内科的な対応が重要です。

尿路感染症

尿路感染症は、尿の通り道である膀胱や尿管、腎臓などに細菌が侵入し、炎症を引き起こす疾患です。女性に多くみられ、特に膀胱炎や腎盂腎炎として発症することが一般的です。排尿時の痛みや頻尿、残尿感、発熱、腰痛などの症状が現れます。放置すると腎臓にまで感染が広がることもあるため、早期の受診と抗菌薬による治療が大切です。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルス（ヘルペスウイルス）が再活性化することで発症する皮膚の感染症です。神経に沿って帯状に赤みや水疱が現れ、激しい痛みを伴うことがあります。免疫力の低下が引き金となることが多く、高齢者や疲労の蓄積したかたに多くみられます。早期の抗ウイルス薬治療が後遺症の予防にもつながるため、発疹や痛みに気づいたら早めの受診が重要です。

気管支炎

気管支炎とは、気道の一部である気管支に炎症が起きる疾患で、咳や痰、息苦しさなどの症状を引き起こします。急性気管支炎は主にウイルスや細菌による感染が原因であり、風邪の延長として発症することもあります。慢性気管支炎は、喫煙や大気汚染、持続的な刺激によって長期的に気管支が炎症を起こした状態で、COPDの一部として扱われることもあります。

肺炎

肺炎は、肺の中にある肺胞に炎症が生じる感染症であり、原因となるのは細菌・ウイルス・真菌などさまざまです。主な症状には、咳・痰・高熱・悪寒・息切れなどがあり、高齢者では症状がはっきりしないこともあります。重症化すると命に関わることもあるため、早期の診断と適切な治療が必要です。予防にはワクチン接種や体調管理が有効です。

貧血

貧血とは、血液中の赤血球またはヘモグロビンが不足し、全身の組織に酸素が行き渡らなくなる状態を指します。主な症状には、疲れやすさ、息切れ、めまい、動悸、顔色の悪さなどがあります。原因は鉄分不足のほか、慢性疾患や出血、吸収障害などさまざまです。症状が軽くても生活に支障をきたすことがあるため、原因を見極めたうえでの治療が重要です。

腎不全

腎不全とは、腎臓の機能が著しく低下し、老廃物や水分の排出がうまくいかなくなる状態を指します。急激に進行する急性腎不全と、徐々に悪化する慢性腎不全に分けられます。初期は無症状のことが多いものの、進行するとむくみ、倦怠感、食欲低下、高血圧などが現れます。慢性腎不全が進行すると透析が必要になるため、早期発見と基礎疾患の管理が欠かせません。

花粉症・アレルギー疾患

花粉症をはじめとしたアレルギー疾患は、免疫系が特定の物質（アレルゲン）に過敏に反応することで生じます。花粉のほか、ハウスダストや食物、動物の毛なども原因になります。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が長く続くと、日常生活の質が低下します。内服薬や点鼻薬などによる対症療法のほか、必要に応じてアレルゲンの特定と環境調整も重要です。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の密度や質が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる状態を指します。加齢やホルモンバランスの変化、カルシウムやビタミンDの不足、運動不足などが主な原因です。特に女性は閉経後に発症リスクが高く、背骨や腰の圧迫骨折、大腿骨骨折などを引き起こすことがあります。骨折を防ぐためには、早期の骨密度測定と適切な治療が重要です。

フレイル症候群

フレイルとは、高齢者にみられる心身の衰えを表す概念であり、運動機能や認知機能、社会的なつながりの低下などが複合的に影響します。体力の低下や転倒、外出機会の減少などが進行すると、要介護状態につながることもあります。バランスの取れた栄養摂取、定期的な運動、社会参加を通じて予防・改善が期待されます。早めの気づきと対応が何より大切です。

更年期障害

更年期障害は、主に閉経前後の女性に現れるホルモンバランスの急激な変化によって生じるさまざまな身体的・精神的症状の総称です。のぼせ、発汗、不眠、イライラ、集中力の低下などの症状は個人差が大きく、日常生活に支障をきたすこともあります。ホルモン補充療法や漢方、生活習慣の見直しなど、多面的なアプローチによって症状の緩和を図ります。